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●スイングアームとリンクユニットのベアリング交換

【07.01.21】


汎用品で手配したニードルローラベアリング。
左側が546円/個、右側が600円/個の計4700円でした。

 ってな訳で、10万kmを前にした車体周りのリフレッシュもいよいよ大詰め… なぁんて気合いを入れてる訳でもないのですが、1昨年末のホイールベアリング昨年末のステムベアリングに引き続き、一度も交換した事が無いスイングアーム及びリアサスリンクユニットのベアリングを交換する事にしました。

 リアブレーキのリジッド化に伴い、過去に二度程スイングアームの脱着及び、ベアリング類への給脂は行なっていますが、それも3年半程前の話ですので、さてさて、一体どうなる事やら…

 今回も、スイングアームのSSTはSBSさんに、作業場所はN氏に、ベアリングプーラーはK氏にそれぞれお借りしました。ほんと、ありがとうございます>皆様

 作業そのものに入る前に、ベアリングのご案内です。

 こちらにざっとまとめていますが、スイングアーム及びリアサスのリンクにはニードルローラベアリングが使われています。スイングアーム両端のベアリングは汎用サイズ(2530)なのですが、リンクユニットのベアリングのサイズがパーツリスト上では内径20mm、外径27mm、奥行き23.5mmというなんとも中途半端なサイズで、サイズを頼りに検索しても代用品が全く見つかりませんでした。予備のスイングアームを確認した所、どうやら片側にオイルシールが入った特殊なニードルローラベアリングっぽいので純正品を取ろうか迷っていたのですが、いつもお世話になっているベアリング屋さんにメールでご相談したところ、奥行き23mmのベアリングなら汎用品で取れるとの事。ニードルローラベアリングの軸穴は単なる貫通穴なので、左右のベアリングさえ干渉しなければ奥行きのサイズは問題無さそうでしたので、NTNさんの
を手配して頂きました。スイングアーム両端のベアリングもシール付きのニードルローラを探したのですが、奥行きが23mmの物(HMK2523L)しかありませんでしたので、耐久性(ニードルが短いので掛かる荷重が増える)を考慮して、標準サイズのシール無しを選んでます。

外した純正ベアリングは

でした。リンクユニット用に関しては、メーカーの違いによるシール部の厚みの違いのみっぽい雰囲気ですが、スイングアーム用のベアリングのサイドにはG6なる刻印が別途打たれていましたので、ひょっとすると荷重などを考慮した特注品かも知れません。ホイールベアリングもそうですが、耐久性などがご心配な方は純正品を取るのが確実です。けどまぁ、今回使用したHMKってベアリングも高荷重向けのシリーズらしいので、恐らく何の問題も無いと思いますけどね。

 ってなことで、いつも通り、順を追って作業内容など。

 マフラーを外し、サイドスタンドが掛かっている状態で、

  • リアのアクスル(対辺27mm)
  • スイングアームピボット(対辺24mm)
  • リンクユニット(対辺17mm)

のナットを緩めておきます。(抜かなくて良い)

 一番奥のナットは、45°以上オフセットしたメガネレンチが無いと辛いかも。

 右側のアンダーループ(サイドスタンドの向かい側辺り)にパンタジャッキを描け、リアタイヤが僅かに持ち上がる程度までジャッキアップし、リアタイヤを外します。

 不安定な姿勢なので、フロントブレーキレバーをゴムバンドやタイラップで縛り、ブレーキを利かせておいてください。

 リアサス下部のボルト、リンクアームのボルト、スイングアームピボットのボルトを抜きます。

 リアサスとチェーンを避けながら下側にスイングアームを引き抜きます。

 その後、フレームに残っているリンクユニットも取り外します。

 せっかくなので、ピボット周辺をガソリンをつけたウェスて清掃しておきました。 

 で、いよいよ本丸のベアリングの交換に入ります。

 ホイールベアリングなら叩いて抜く事も可能ですが、ニードルローラを抜くにはベアリングプーラーは必須です。

 合計8個も抜かないといけないので結構時間がかかります。

 ベアリングの内径は、スイングアームが25mm、リンクユニットが20mmです。

 無事にベアリングも抜き終わり、ガソリンでの洗浄も済んだリンク周りのパーツ群。

 焼けてはいますが変型やサビはありませんでしたので、ボルトやカラーは躊躇い無く再利用です(汗

リアサス下部のピロ部分もオイルシールをマイナスドライバで抜いて洗浄。焼けやカジリも無く、状態はとても良い感じでした。

 ニードルローラは叩いて挿入出来ませんので、今回は冷凍庫で冷やしたベアリングをC型クランプで圧入しました。

 挿入位置は面一(ツライチ)なので気楽なものですが、ベアリングが暖まってくるととたんに圧入が苦しくなりますので、ベアリングの内径(20mm)と同じサイズのボルト&ワッシャ&ナットの組み合わせでメガネレンチで圧入する方が楽だったと思います。最後の方は泣きそうでした(汗


 写真がありませんが、スイングアーム両端のベアリングは直径10mm、長さ30cm程度の全ネジ+ワッシャ+ナットで圧入しましたが、これももっと太いボルトサイズを選ぶべきだったなぁ… ピボットシャフトが利用出来れば話は早いんですけど、残念ながらネジ部の長さが足りません。

 ま、そんなこんなで、なんとか無事にベアリングの圧入も終わり、必要な部分にグリスを塗り、逆手順で組んでいくのですが、90年以降のGSX-Rのスイングアームピボットはクリアランス調整式になってますので、SSTが必要になります。

 クリアランス調整用のピボットカラー。


 こいつを締め込むのにSSTが必要です。

 これがそのSST。

 とりあえず、上記カラーの先端が、フレーム内側と面一になる程度まで締めこんで、スイングアームを一旦仮組みします。

 ピボットシャフトを差し込むとこんな状況です。

 ここから更にカラーを締め込むのでSSTが必要なんですね…

 ま、無くても貫通ドライバ&ハンマーでもイイと思います。

 で、このカラーの調整が一番肝要な部分でして、締め込みすぎると動きが悪くなったりスイングアーム両端のオイルシールを破壊しますし、緩すぎると左右方向にガタが出てします。

 いつも通りのやっつけな絵ですが(汗、フレーム上側からスイングアームピボットを見た所です。

 赤い部分が調整用カラーですので、スイングアームを上下左右に揺すりながら、ガタが無く且つ動きが渋くならない一番良い位置を探します。

 ちょうど良い位置が見つかればピボットのナットをある程度締めてスイングアームを上下させ、問題がないようでしたら4本爪のSSTで調整用カラーをロックします。

 ピボットナットの締め付けトルクは結構高いですので、本締めはジャッキを下ろしてから行なうのが無難です。

 さっさとタイヤをつけ、ジャッキを下ろしたあとは、ピボット類のナットを本締めし、マフラーやブレーキなどを組み立てて終了です。

 交換時の距離は5927+90128=96055kmでした。やっぱオドメーターが引き継げないのは不便だなぁ…>デジタルモニタ

 KTCさんの工具箱と記念写真を撮ったりして(笑)

 ってな感じで、無事に交換作業は終了しましたが、使用済みのベアリング類の状態はグリスが汚れている程度でして、6時間以上を掛けて作業した程の効果は…(汗

 ま、そんなのはいつもの事ですし、これで当分シャシーのベアリングには気を使わなくてイイので、結果オーライという事で。これからも宜しくね>あげは

 あ、ご報告が前後しますが、前回のステムベアリングと今回のニードルベアリングの部品代は広告収入から支出させて頂きました。








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