【06.12.24】
こういう工具セットが俺も欲しい(笑)
クリスマスイブにホームページを更新するのはいつもの事(泣 ってことで、今回はずっと懸案だったステムのベアリングの交換です。
つい先頃にもステムの状態チェック&給脂作業をやったばかりですが、整備の基本はまず洗浄&給脂、それでだめなら修理と同じく部品の交換と成る訳ですが、このステムベアリングの交換作業って奴は作業そのものは単純なくせにやたらと手間が掛かって、私的な「DIYでやりたくない整備リスト」のNo.2のポジション(ちなみにNo.1はフロントフォークのオーバーホール。SSTがあれば楽勝ですが、油脂が絡む整備はあんまり好きじゃないです…)を占めるだけに、今回は私一人ではなく、スクールのN氏のガレージにてK君にも手伝ってもらいながらの作業に成りました。
あ、基本中の基本ですが、アクスルやステムナット、キャリパー固定ボルトなどの高トルクで締結されている部分はフロントを上げる前に緩めておいてください。
作業内容はそこら中のサイトに掲載されていますのでかなり端折りますが、DIYで一番苦労する(多分バイク屋さんも苦労してると思う)のはステム(三つ又)に圧入されたインナーレースを抜く作業だと思いますので、その部分だけをしっかりとレポ。
今回の作業時とは別の撮影に成りますが、まずはステム単体にして、矢印の部分に貫通ドライバもしくは平タガネをあてがい、ステム先端方向にガツンと一発かまします。 | |
すると多分、こんな感じでリテーナが取れます。 スズキの純正部品なら、ダスト(オイル)シールは別体ではなく、リテーナに組み込まれている筈です。(車種や社外のベアリングキットによっては別体オイルシールもあるようですが、将来の作業を考えるとリテーナにシールが組まれている純正ベアリング相当品がお勧めです。今回はKOYOさんの32006JRRSってのを使用しました。純正品との違いはリテーナが樹脂ではなく金属製なことです。単価は結構高くて1500円程しました。) |
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リテーナが取れれば、タガネを打ち込む部分が容易に確認出来ますので、矢印の部分に先端をきちんと研いだ平タガネをステムと直角に打ち込み、インナーレースを少しづつ抜いていきます。 別体オイルシールだと、この部分にオイルシールのワッシャが噛んでいる為、タガネを打つスペースが無い=SSTを使わないと抜くのは難しそうです。 |
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ある程度抜ければステム先端方向に貫通ドライバを打てますので、叩き抜いて終了です。 ちなみにこれは予備のステムなのですが、元からなのか、過去のオーナーが悪戦苦闘したのか、圧入部分の全周に渡ってかなり深い傷が入ってましたので、結局使用を中止しました。 |
その後、フレーム側のアウターレースを貫通ドライバー(長さ35cmクラスが油冷後期には使い易いです。先端を少し曲げておくのがポイントかも)を使って叩き抜くのですが、ジャッキでフロントを浮かせての作業だと、ハンマーの衝撃で倒す可能性がありますので、今回はフレーム下にウマをかませてフロントを浮かせました。メンテナンスジャッキがあれば1人でも上げられそうですが、ウマをかますには最低二人で作業したいですね。
よく分かりませんが、多分レースを抜いて、新しいのを入れたあとの写真っぽいっすね(汗 今回はベアリングインストーラーをお借り出来たのと、ホイールベアリング同様、アウターレースを冷凍庫で冷やし、フレーム側をヒートガンで暖めていれました。最初、少し斜めに打ち込んじゃってちょっと焦ったので、全周を少しづつ叩くのがポイントかも。 |
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こっちは既に入れ替えが終わった上側のベアリング。 レースを入れるのは上側の方が楽ですが、上を見上げての作業に成る為、抜くのはこっちの方が大変でした。 |
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新しいベアリングをステムに打ち込む時は、適当なサイズのパイプ(内径30.5mm程度、外径34mm以下、長さ250mm以上)があれば楽なのですが、適当なサイズのパイプは汎用品ではありませんので、途中までは外した古いレールをひっくり返して、ハンマーで叩いていれました。 リテーナーを叩かないよう、慎重に。 |
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ひっくり返した古いアウターがステム根本の部分までくれば、あとは内輪を貫通ドライバーで真っすぐ叩いて入れていきます。 オイルシール(ゴム)があるので、ヒートガンは使いませんでした。 |
あとはステムベアリングにグリスを塗り、フレームに組んで、外したフォークやら外装を付けて終了。微妙なステムの締め付けトルクを文字で伝えるのはかなり難しいのですが、今回は新品って事で、一旦思い切り締め付けて左右にグリグリと動かして馴染ませたあと、完全に緩めた後に手締めで一杯一杯まで再度締め付け、そこから1/8回転程工具を使って締めて組み付けました。
そうそう、フロントタイヤも交換したんだよな(汗
すっかり作業が終わってますが、K君と二人で20分程で交換完了と成った中古フロントタイヤ。偶然ですが、今回はウェイトを全く使わずにほぼバランスが取れました。 用意しておいたチューブレスバルブを持参するのを忘れたのでN氏に新品を譲ってもらって交換済みなんですが、ちょっと長いので空気圧の計測などにこの先苦労しそうです(汗 |
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N氏のガレージからの帰りに寄ったSBSさんにて撮影。 5744km+90128km=95872kmなので、作業時は95870km程度か?←適当 フロントタイヤは約8000km、ステムベアリングに至っては約5年振りの交換かぁ…(汗) |
ってな感じの作業となりました。作業開始が14時30分辺りで、K君と終了時刻の予想をしてたのですが、私の予想は16時30分、K君は夜中(笑)ってな予想。で、結果は途中に色んな作業を挟みつつ19時過ぎっと、両者痛み分けの結果に。予想一つとっても私が以下に楽天的かが現れているような…(汗 けど、夜中は流石に無いだろ(笑)
で、肝心の効果ですが、これがやはり劇的で、リアタイヤが傾いてフロントがそれに追随して切れてくるってなオートバイの基本挙動がかなり明確に伝わるようになりました。けどまぁ、これは磨耗したフロントタイヤが新しくなった影響もかなり大きいと思います。
実は直進時に0.5Hz位のゆっくりしたウォブルが出てるんですが、これはステムの締め付けをあと少し緩めれば消える事は経験上分かりますので、また折りをみて調整する予定です。この程度の作業なら簡単ですしね。
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