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●Penskeの移植

【09.04.14】


無事に移植完了。

 って事で、あげはの遺品となってしまったPenskeの8981をOHの上、R750K4に移植してみようかなぁ…ってな構想はかなり前からあったのですが、ようやく重い腰を上げてとりかかりました。SHOWA製の純正ピギーバックをいにしえのリモートリザーバタイプに交換する事にそれほど意味があるのか…って気もしますが(汗、何かひとつ位、機能部品をあげはから引き継げると、K4への愛着も少しは湧くかも…なぁんて期待したりして。

 油冷後期以降のGSX-R750シリーズのリアサスペンションの上下マウントのサイズは共通ですので、自由長やユニットのストロークなどを無視すれば(無視しちゃイカンのですが)ほぼボルトオンで装着が可能なので、R750K4の純正サスのスペックをざっと調べてみると、

ってのが基本的なスペックのようです。

 手持ちのPenskeは車高調ユニットが付いており、Eye-to-Eyeを330mmに調整する事は可能ですし、バネも7.14kg/mm、8.04kg/mmが手元にありますので、流用出来れば万々歳って感じで、装着前にOHすることに。使えなさそうなら油冷機にお乗りの方にお譲りすればイイんだしね。

 過去にもDIYでオイル交換をしてますが、今回は完全にリフレッシュするため、埼玉のTechnixさんにお願いする事にしました。…いや、私のPenskeは個人輸入品なので、奥村さんとこにはなんだか出しづらいんだよなぁ…(汗)

 で、OH完了後のサスペンションはこんな感じで送られてきました。

 今回は装着車両を変更する=過去のデータは関係なくなるので、OHに関係ないバネなどをすべて取っ払って、ダンパー単品でOHを依頼しました。

 消耗品交換などを含み、税込み21000円(返送料サービス)でしたので、SHOWAなどの国産サスと比較するとちょっと割高だったみたい。

 …シール類などは奥村さんとこから業販で引っ張って来て下さったのかも。

 交換済みの消耗品群。

 バンプラバー、ボディーエンドキャップのOリング、シャフトのOリング、シャフトのダストシールが交換になったみたいです。

 バンプラバーはまだ全然大丈夫っぽい気がします。

 
 取り外しの時に変形したのか、それとも、これが原因で時々オイル漏れしていたのかは不明ですが、一番消耗してたのはこのシャフトのダストシール(Penskeの呼称はWiper)でした。
 なんとなくNitronを思わす色(笑)になったダストシール。

 特に指定もしませんでしたが、ストロークセンサー用のOリングが装着されて返却されました。

 ロッドもかなり丁寧に研摩して下さってる感じがします。

 こっちが新しいバンプラバー。

 Penske純正のと比較するとかなり硬質のゴムに変更されてます。全高は28mm位。ひょっとすると削りで作って下さったのかも。

 バンプラバーは、接触する事を前提としたセッティングパーツらしいので、メーカーさんによって材質はいろいろ違うみたいですね。

 けど、Penskeの場合、接触するとダストシールのリップが潰れちゃう気がするんだけどなぁ…(Nitronのサスはシールが奥に引っ込んでいて、ボディー底面が直接ラバーに当たるようです)


ってな感じで、スプリングを組む前に、ダンパ単品でストロークさせてみましたが、当然のごとくオイルは漏れてきませんし、グジュグジュした感触もなくとてもイイ感じ。米国並みにリペアパーツが簡単に手に入るなら、年間の定期メンテにしたいんだけどなぁ…

 全長を330mmに調整して、スプリングを組み込んだ状態です。

 この時点である程度イニシャルを掛けておけば良かったんですが…

 今回も車体に組んだ後、延々とリングを回す羽目になりました(泣

  で、R750K4の純正サスは、リザーバタンクがボディ直後にマウントされたピギーバックタイプですので、リモートリザーバの固定ステーを車体側に設ける必要があるのですが、これも油冷機時代とほぼ同様の手法で、タンデムステップステー付近に装着します。

 車体側のネジ径にあわせて汎用ステーの穴を8mmに広げ、油冷機時代のマウント板を締結するとこんな感じです。

 このステーを…

 タンデムステップのブラケットに噛ませて固定するとこんな感じです。

 今回はタンデムステップの固定ボルトに供締めしてあります。

 …もう少しちゃんと作り直した方がイイのかも(汗


 で、あとはサスを入れ替えるだけなんですが、これがかなり手こずりまして、ぶっちゃけ、作業中の写真は殆どありません。

 要点をかいつまんで書くと、

  1. レーシングスタンドで1Gを計測し、メモする
  2. アンダーカウルの底のワンタッチクリップを外す
  3. 右側アンダーカウルの下部固定ネジを2本外す
  4. サスの上下マウントボルトを緩める(対辺14mm)←滅茶苦茶固く締まってました…
  5. スタンドを下ろし、ジャッキなどでタイヤがギリギリ接地する程度までリアを上げる
  6. サスの上下ボルトを引き抜く
  7. ジャッキを更に上げる
  8. サスペンションユニットを「下側から」抜き取る
  9. 抜いたボルトを磨いてグリスアップ
  10. リンク側のベアリングも洗浄の上、給脂
  11. 新しいサスペンションユニットを「下側から」入れる
  12. 上側マウントボルトを挿し込む
  13. ジャッキを少しずつ下ろし、穴位置を調整して下側のボルトを挿し込む
  14. ジャッキを抜いてレーシングスタンドを掛ける
  15. 何度かストロークさせた後、ユニットの上下マウントボルトを本締め
  16. 最初に計測した1Gの数値にになるよう、イニシャルを調整

って感じなのですが、問題は8.のユニットの抜き取りでして、マニュアルでは、「上側から抜き取る」となっていて、その試行錯誤に随分と無駄な時間を費やしてしまいました…(泣

 リンクのテンションロッドまで取り外し、スイングアームを完全にフリーにしても、マフラーが干渉してしまう為にスイングアームが途中までしか下がらず、結果、どれだけジャッキアップしても上から抜き取るだけのスペースが稼げませんでした。半分位まで出て来るんだけど、その先、スプリングがスイングアームに引っ掛かるんだよなぁ…


R750K4のサービスマニュアルより。絶対抜けねぇ〜っつ〜の!!

 「マフラーまで外すのかよ…」っと、かなり泣きそうになってたんですが、ボディー後部にリザーバタンクがあっても、油冷機同様、下側から簡単に抜き取ることができました。これに気付くまで約2時間、俺の時間を返せ!(泣

 ま、入れ替えさえ済めば、あとは比較的サクサクと進めます。

 リザーバをステーに装着するとこんな感じです。

 この状態が長かったので、ここにリザーバがあるとなんだか落ち着きます(笑)

 下側からユニットを覗くとこんな感じ。

 既に軽く試走後ですが、残ストロークがバンプラバーまで残り17mmって感じなので、バネレートが若干下がった事もあわせると、あと少しイニシャルを掛けてみてもイイのかも。

 ってな感じで、なんとか無事に移植は終了したのですが、R750K4の技術資料に

なんて数字が書いてあるのが気になります。後輪のホイールトラベルは130mmですので、トータルのレバー比は1.733になる計算ですが、移植したPenskeのボディー←→新しいバンプラバーの距離は47mmしかなく、バンプラバーが接触で潰れる事を見越しても、ストロークがかなり足りないような… うむむ(困

 外した純正サスのロッド部には、防塵の為にプラスチックカバーが被せてありますので計測が出来ないんですが、重量を含め、さっさと分解してちゃんと計測しないとなぁ…

オマケ:

 メーカー系のステッカーはあまり車体に貼らない事に決めてるんですが、同梱されていたTechnixさんのステッカーを、リザーバタンクの傷隠しも兼ねて貼ってみました。

 …ちょっと浮いてる気がしますが(笑

 結論:

 本格的な試走はまだなんですが、これといった不具合も今のところ無いようです。けど実際、10年前と比べると、Nitronを筆頭に、高性能サスペンションがかなり安価で購入出来ますので、よっぽどの思い入れ(私の場合は、あげはの遺品)のある部品じゃないのなら、最新のリプレイスサスを購入する方が結局はお得なんでしょうね。なんたって専用品ですし。


【09.04.16】追記

 どうもリザーバを固定しているステーがグラグラしちゃうので、きちんと作りなおしました。

 T=2mmのアルミ板を幅20mmに切って穴開けて曲げて〜♪

 アルミ板といえども、さすがに2mm厚になるとかなり手強くて、この程度の形状のステーを作るにもハンドツールではかなり苦労します。

 けどまぁ、結果的にかなりしっかり固定出来ましたし、座面のクッションゴムも新調出来たので良かった、良かった。

 Penske側が一段落したところで、取り外したR750K4のノーマルリアサスをサクッと分解して、各種データを測ってみたところ、

って感じでした。技術資料の、ストローク=75mmってのは、どうやらバンプラバー下端までの数値のようで、一安心です。バンプラバー上端までの距離が5mm程短いのですが、接触を前提とすればそれほど問題なさそうですし、Penske標準のバンプラバーならほぼ同じ数値になるような気がします。(新しいバンプラバーの方が全高が高い)

 以下、分解時の写真でも。

特殊な工具が無くてもここまで分解は可能ですので、スプリングの交換なども簡単そうですね。

ザックリしたスプリングのスペックは、

  • 外径:87mm位
  • 内径:63mm位
  • 全長:210mm位
  • 線径:11.5mm位
  • 有効巻き数:5巻き位(オープンエンドなので、総巻き数-1.5でカウント)
って感じみたいです。リプレイススプリングの選定のご参考になれば。
普段はプラスチックの防塵カバーで隠れているんですが、ロッド径が16mmもあるかなりしっかりしたダンパーです。けど、最新のR1000では14mmに戻ってるんだよなぁ…

各部の仕上げはそれなりって感じですが、肝要なのは見かけじゃなく中身なので、いつか分解してみたいですね。

あ、このサスはSHOWAさんの製品です。

 防塵カバーとスプリングが擦れた痕があったり、ロッドにかなりしつこい汚れがこびりついてたりと、流石に15000km経つとそれなりに汚れてしまうみたいです。

 高性能を謳っているピギーバックタイプから、いにしえのリモートリザーバタイプへの交換となりましたが、3.2kg→2.5kgへと軽量化も出来た事ですし、それなりに意味はあった気はします。

 とはいえ、計測した数値を元にスプリングレートを計算すると、8.5kg/mmものレートになるんですけれど…(汗 レーステックさんのデータって本当に合ってるのかなぁ…

 ま、この辺は実際にスプリングテスタで測るのが一番確実なんでしょうし、8kg/mmのスプリングも所有してますので、色々試して遊んでみたいと思います。

 おまけ:

 DIYでサスを交換したりする人にはお馴染みの光景だと思いますが、スプリングを外したダンパ単体での減衰力テストの風景などを撮影してみましたので、興味があればどうぞ。

 このあたりの動きは、今回換装したPenskeと何ら遜色が無いぐらいの調整範囲がある(Penskeの最弱はもっと速い)んですが、実用出来る範囲ってのはかなり狭いですので、30段やら3回転やら範囲があっても実は余り意味が無いというか、ユーザーを迷わすだけなのかもなぁ…なぁんて思ったりして(笑)

 ま、実際はスプリングとセットで使う物なのできっと問題ないんでしょうが、最強なんかにセットすると怖いだろうなぁ…







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