【05.04.30】
Penskeのリアショックオーダーする際、体重が軽い(53kg)事、1人で乗る事が殆どである事、比較的低速域でのスポーツ走行がメインであった為、スプリングレートをあえて若干低めのレートで注文したのですが、国際クラスのサーキットやテストコース、はたまたおおっぴらに公言出来ない場所をそれなりのハイスピード域で走るとバイクがグワングワンっと揺れる現象が少しづつ気になりだしました。直線ではどれだけ開けても全然問題ないんですけどね。
イニシャルやダンピングを調整したり、フロントフォークを換装して若干はマシになったのですが、先の某ミーティングへの移動の際にテストしてみるとまだ挙動が少し不安定です。まぁ、リアに荷物を沢山積んだ状態での挙動なので目を瞑ってもイイのですが、出来る事ならレート違いのスプリングを試してみたいなぁ…なんて思っていましたが、Penske標準のEibachスプリングが比較的お手頃な価格で販売されている事が分かったのでGW前に手配し、本日換装作業を実施しました。(ちなみに現在は本国/国内ともHypercoils社製スプリングが標準採用されています>Penske けど1本21000円は出せません…)
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こちらが今まで使ってきた400lb/inch(約7.14kg/mm)のバネ。途中、ノーマルのサスを使ったりしたので正確な使用距離は分かりませんが、約5年半、距離にして約50000km程使った割には塗膜の割れや座面のサビなども見当たらず。 |
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自由長も176mmのまま変化無し。フォークスプリングと比較すると条件がイイのを割引いてみても流石Eibachって感じではあります。 |
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新たに手配した450lb/inch(約8.04kg/mm)のバネ。自由長と線径、内径が400lb/inchのバネと同じなので、比較すると半巻きほど短い(巻きピッチが広い)です。 興味のある方はこちらもご参考にどうぞ。 |
交換作業自体はそんなに難しい作業ではないのでばっさりとカット… なのですが、今回はついでにリンクユニットのレバー比の計測を行いましたので、いつものサイドスタンド+ジャッキでリアを浮かしての作業ではなく、レーシングスタンド+タイヤ〜シートカウル間にジャッキを噛ませて作業を実施。車体が直立している分、ユニットの抜き差しのスペース確保が面倒でした。(汗)
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無事に換装終了の図。 古いスプリングのイニシャルを車体に組んだ状態で抜いておくのを忘れ、サス単体でスプリングを外すのに四苦八苦してしまいました←馬鹿だな(汗) あ、スプリング交換はアッパーシートを限界まで緩めてロワシートを押し上げ、Cリングを外せば車高調部分を分解せずにそのまま引き抜けます。 こちらもご参考にどうぞ。 |
なんちゃってOHが効いているのか、新たなオイル漏れもなく、また、ダンパーもしっかり生きていましたので一安心。1人じゃ乗車1Gは出せないので、レーシングスタンドでの空車1Gが交換前と同じになるようにイニシャルを掛け(約18mm)、早速SBSさんまで試走に出かけました。相変わらず上手く書けないのですが、乗り味はR750標準サス同様、少しゴツゴツ感がありますが、スロットルを開けた時にサスが落ち着くまでの時間が減った(ストローク変化量が減った)からか、反応がかなりダイレクトになりました。また、バンク〜立ち上がりでの踏ん張り感が増したように感じます。直接の換装理由であった高速域での振られに関しては未検証なので不明ですが、これはまた追ってレポート出来るかと。
しかしまぁ、バネレート一つでこんなに違うものかと今更ながら驚きました。でも、400lb/inchのしとやかさも捨てがたいんだよなぁ…(悩)
せっかくの機会なので、油冷後期のリンクのレバー比を実測してみました。スプリングを外してダンパー単体を車体にセット→ジャッキでリアの車高を5mm刻みで調整しながら巻き尺でユニット長を計測ってな手順ですので一部怪しい数値もありますが、リンク式サスペンションが登場した当時に高らかに謳われた「プログレッシブ効果」は、この年代になるとかなりリニアな方向に改められているような気がします。
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縦軸がユニットストローク、横軸がホイールトラベル(荷がけフック〜アクスル間で計測)です。原点が伸びきり時、圧縮方向はバンプラバーがダンパーボディに接触する直前で計測を中止してますので、ひょっとするとこの後急速にレシオが立ち上がるのかも知れませんが…(マニュアル上、リアのトラベルは136mmもありますので←オフ車かよ!ってな数値ですね(笑))
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いい加減な計測の誤差がモロに出てますが、こっちが良くあるレバー比の変化曲線…になってませんね。(笑) 横軸がホイールトラベル、縦軸がレバー比です。 伸びきり〜40mm辺りで急速に立ち上がり、その後は80mm近辺までほぼ0.5近辺で推移し、(恐らく)90mm付近から徐々に1に近づくって感じのリンクなんだと思います。(グラフでは急速に立ち上がってますが、計測ミスの可能性が高い気がします) このレバー比はユニットストロークをホイールトラベルで割ってますので、1に近づくほど実質のバネレートが高くなる事になります。 例) レバー比0.5=ホイールが10mm動く時にバネは5mmしか縮まらない
この逆数(ホイールトラベルをユニットストロークで割ったもの)で表示しているケースもありますので、比較の際はご注意を。 |
まぁ、私は別にサスを設計するつもりはありませんので(笑)、日常使用域(ホイールトラベルが40〜90mmあたり)が比較的リニアだという事さえ分かればそれでOKなんですが、一口にモノサスといってもバネレート(ホンダは比較的バネレートが高い)やリニアに推移する部分のレバー比はメーカーや車種によって様々です。この手の数値はスイングアームの長さや、スイングアームピボットからどれぐらい離れてサスがマウントされているか(近い=ユニットが立っているほどテコの原理が働くので車体を支えるのに必要なバネレートは高くなり、計算上のレバー比は小さくなる)によって変わってきますので、異なる車種間でのグラフやレートの比較の際は注意が必要です。(フロントフォークは殆どがテレスコピックなので、単純にレートだけに着目しての比較もそれなりに傾向が掴めます)
そうそう、この手の話に興味があるWindowsユーザーさんなら、「さすさす君」なるソフトを使ってみると楽しいかも。さすさす君は以下のサイトで配布されています。
…私は画面すら見れませんけど(泣 だれかOS9用にソフトを作って!
阿讃サーキットの走行会&猪名川のスクールと、ミニサーキットをそれなりのペースで走りましたが、リアのレートはこんな感じが気持ちイイような気もします。ハイペースでは踏ん張り感があるのですが、街乗りでは少しゴツゴツ感が気になっていましたが、ユニットで2回転程(アクスルで8mm位)車高を上げたところ、リンク比が若干ソフト方向に変化したようで、街乗り〜ミニサーキットでもこれといった不満のない状態になった気がします。←鳥頭なので、走り出して5分も経つと慣れてしまう(汗)
若干前下がりな車両姿勢ですので、タイヤが減ってきたらまた印象も違うのでしょうが、概ね満足な仕上がりとなりました。よかったよかった。
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