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●エアクリーナエレメントの交換と内圧コントロールバルブの装着

【10.01.17】


KTMさん純正のクランクケース内圧コントロールバルブらしいです

 ってな訳で、今後暫く更新が滞る予感がプンプンしているくせに、「燃料添加剤を投入しました!」ってだけで今年最初の更新を終わらせてしまうのも気が引けますので…(汗

 ま、結構無理矢理のネタではあるのですが、重い腰を上げてエアクリーナエレメントの交換を行いたい→タンクを上げる必要があるってことで、作業のついでに、このところいろんなバイク系のサイトで装着レポートが上がっている、いわゆるクランクケース内圧コントロールバルブってのを装着してみることにしました。

 アーシングを筆頭に、この手の商品(眉唾モノって話ではなく、ネット系ライダーのブームになる商品って意味です)は何年かに一度の周期で巡ってくる印象がある上、そもそも私のR750K4は、

ということもあって、実はこのパーツを装着するか否かについて半年以上熟考を重ねていたのですが… ま、原理からしても「少なくとも悪くなる事はなさそう」という、結構消極的理由での作業チョイスとなっております(笑) これが4ストローク単気筒の大排気量エンジンなら、何も迷う事はなさそうなんですけどね…

 ま、何はともあれ、メインの目的であるエアクリーナエレメントの交換から早速始めます。

 整備性がとても良い96以降のGSX-Rシリーズですので、

  • タンク前方のネジを2本外す
  • フロントシートを外す
  • タンクを持ち上げる
  • エアクリーナボックスの蓋のネジを10本外す
  • ボックスの蓋を外す
だけで、エアクリーナエレメントにアクセス出来ます。他の7本はクリーナの蓋からネジがはずれない構造になってますが、後ろの3本のネジにはそういった脱落防止の工夫がされてませんので、脱落には十分注意してくださいね(笑)

 油冷機とは大違いだ(汗

 エレメントを外したBOX内には結構細かい埃が溜まってますので、濡らしたウェスで拭って奇麗にしておきました。

 後方にはインジェクションに繋がるファンネルが見えます。

 新旧エアクリーナエレメントの図。

 13000kmも走ると、なんだかんだで汚れるものですね…(恥

 旧エレメントのクローズアップ。

 油冷機のような完全な乾式ではなく、不織布にうっすらオイルが塗布された、いわゆる「ビスカス式」のフィルターですので、コンプレッサーのエア等で清掃は出来ないみたいです。

 ま、コンプレッサーなんて持ってないんですけどね(笑)

 で、こっちが新品のエレメントの表面。

 こうやって見比べてみると、「次回は早めに交換しよう!」ってな気分になります。


 で、このまま逆手順で組み上げるとエレメント交換は終了なのですが、今回は「クランクケース内圧コントロールバルブ」ってのをブリーザホースに割り込ませますので、クリーナボックスの蓋を閉めたあと、しばらくタンクは上がりっ放しになります。

 この内圧コントロールバルブの原理は今やネット上に沢山記載されておりますので、このサイトでは改めて述べる事は致しませんが、要するに、

ってのが主目的となるようです。

 「MotoGPマシンなんかでは真空に近い程度までケース内を減圧する!」なぁんて事を書かれると、私なんかはコロッと騙されそうなんですが(笑、上手い人が乗ったノーマルのGSX-R750K4がどれだけ走るのかってのを知ってますので、ちょいと眉に唾をつけながらのパーツ選定となりました(笑)

 つ〜か、真空ならまだしも、子供の頃に昆虫採集キットの注射器を押し引きして遊んだ経験からいうと、出口を塞いだ状態で注射器のシリンダを引っ張る(エンジンピストンの上昇時に相当)のにもかなり力が要ることを体感的に知っている訳で、下降時のロスが減っても上昇時で相殺される気が…(汗

 色んな検索ワードでネットから色々情報をあさりつつ、GSX-R750K4は一体どんな感じでケース内圧をコントロールしているのかを確認すると、

 これがサービスマニュアルに記載の全体図。クリックで拡大します。

 黒い矢印はブローバイガスの排出経路=クランクケース内に於けるピストン下降時の圧縮空気の流路でもあります。

 2番のホースは単なる通路構造ですので、ラムエアが掛かった状態ではケース内に新気が逆流しそうですが、スロットルオン時にはボックス内の空気はスロットルボディーを通じて燃焼室に常に向かってますので、

 ケース内の気圧>ボックス内の気圧

となっているみたいですね。

 で、スロットルを閉じる=ボックス内の空気の行き場が無くなると、これまたケース内に逆流しそうですけれど、スロットルを閉じてエンジンブレーキが掛かっている時は、1のソレノイドバルブが開き、シリンダヘッドカバー部のリードバルブ経由で排気ポートに新規を導く、いわゆる二次エアが供給される構造となってますので、二次エアをキャンセルしていなければ、巷間言われるような、ラムエア採用機種にはブローオフバルブが必須!って感じでもない様な気が私的にはします。

 ちなみに、2番のホースはPCVホースと書かれてますが、昔風に言うと、いわゆる「ブリーザーホース」です(笑)

 いや、私自身、PCVって表現を初めて聞いたときは、Pressure Control Valveの略だと誤認しており、Valveって名前の割にはワンウェイ構造にもなってなさそうなので不思議だったのですが、Positive Crankcase Ventilationの略だと知って驚きました…(汗) 国内の二輪はかなり昔からブローバイガスをエアクリーナボックスに戻して再燃焼さるクローズドボックス構造になってますので… 略語は、便利なようでいて結構不便だったり(困)

 「クランクケース内圧コントロールバルブ」は、この図でいうところの2番のホースにワンウェイバルブを噛まし、白色矢印の方向にしか空気が流れないようにするものですので、取り出し方向やホース径などの適合条件などはあるにせよ、ほぼ全ての国内製造4サイクルエンジンバイクに装着出来そうではあります。

 で、商品を色々選定したのですが、結局、定番のKTMさん純正パーツを通販で手配。定価3990円の送料が500円で、合計4490円となりました。(昨年の広告収入の一部を原資に充てさせて頂きました。どうもありがとうございます。)

 てなことで、早速装着にとりかかります。
 これがKTM純正のワンウェイバルブ。左から右方向にしかエアを通さないワンウェイ構造になってます。KTMさんはBPV Back Pressure Valveと呼称してるみたいです。

 ホースが刺さる所の外径は14mmらしいのですが、GSX-R750K4の純正ブリーザホース(内径12mm)もなんとか入りました。

 KTMのパーツに付属のホースバンドの装着には特殊工具が必要らしいので、100均で購入したステンレスのホースバンドを使用します。

 もうワンサイズ小さいのがあればモアベターだったのに…(困

 エアクリーナボック側のブリーザホース接続口。タンクを上げると簡単に手が届きます。

 奥に見える豆電球みたいなのはクリーナボックス内の水抜き用プラグですが、特に水が溜まっている様子はなし。

 内圧コントローラを割り込ます為にホースを一旦外してカットするのですが、外したエアクリーナ側のホース接続部には乳化したエンジンオイルらしきものが…

 ボックス内の健康タワシみたいなスポンジフィルターにも乳化したオイル分が付着してましたので、パーツクリーナを使って両方とも清掃します。

 ホースバンドが外れてますが、こっちがケース側のホース取り出し口。

 油冷機ではセンターカムチェーンのトンネルを経由してブローバイを取り出していた=取り出し口はヘッドカバー上部にあったのですが、サイドカムチェーンとなった3分割クランクケースエンジンでは、ミッションの上部から取り出してるみたいですね。

ホースを取り外すとこんな感じ。ホースはかなり固着してると思いますので、無理に引っ張るのではなく、回しながら上に引き抜くとすんなり外れると思います。

 このブリーザカバーにワンウェイバルブでも仕込まれてるのかと思って、清掃したホースを繋いで口で吸ってみましたが、何もなさそうでした(汗 ま、カバー内にセパレータ位は入ってるのかも。

 で、取り外したホースの根元を2cm程切って、件のコンロトロールバルブを割り込ませ、元通りに組み立てたところです。

 下から上に空気が通るように組まないとエンジンが壊れる恐れがありますので十分注意して下さい。

 って感じで無事に装着は完了し、あとはタンクを元に戻して作業終了。エアクリーナエレメントの交換も含め、実作業時間は1時間30分位の、比較的軽作業でした。いやぁ、整備性がいいバイクってのは楽だなぁ(笑)

 とうことで、作業終了後に箕面の100均までひとっ走りして来たのですが、正直、効果は微妙な感じ…(汗

 ま、エアクリーナエレメントも同時に交換しているので、純粋な装着インプレッションではありませんので、割り引いて読んで頂きたいのですが、少なくとも私の年式のR750では、エンブレ時の挙動を含め、あんまり変化を感じません。比較的年式の新しい4気筒エンジンでもありますので、ある意味、予想された結果ではあるのですけれどね。

 装着時に取り外したブリーザホースに付着していた乳化オイルの感じからしても、ワンウェイバルブ構造のこの部品を長期間ノーメンテナンスで装着するのは、固着の危険性を考えるとかなりリスクが高いですので、メリットとデメリットを比較するとデメリットの方が大きいような感触ではあります。

 ただ、試乗が一般道だった事もありますので、春以降のスクールで、低速ギアでの激しいエンジンブレーキを使った走りをするまで、判断は一旦保留としておきます。

結論:

 インプレは難しいなぁ…←鈍感(笑)


【10.02.04】追記

 その後色々調べてみたところ、3分割クランクケースを廃し、一般的な3軸構成となったK6以降のR750/600では、クランクケース上部のブリーザ室にリードバルブ構造のワンウェイバルブが採用されているようです。

 こちらがR750K6のエミッションコントロール図。エンジンの形状はK5以前から大幅に変更されましたが、ブローバイの基本的な流れには大きな変更はありません。

 が、実はブリーザホースのケース側取り出し口には、リードバルブ構造のワンウェイバルブが入っているようです。

 これがそのリードバルブ。ブリーザ取り出し口の上部に別部品としてボルトオンされているようです。

 なんの効果もない部品をわざわざメーカーさんが組み込むとは思えませんので、K5以前のモデルに内圧コントロールバルブを組み込む事は、決して無意味とは言えないような気もますし、K6以降のクリーナボックス内にブローオフバルブなどは増設されていないので、スロットルオフ時のボックス内圧力上昇には、K4に装着時に考察した通り、二次エア通路で対処出来るってことのようにも思います。

 いずれにせよ、実際の効果のほどは本格的にシーズンインするまで一旦保留とさせて頂きます。







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