キュルル.......ブォン!!ブォン!! .......ガチャガチャガチャガチャ.......ジャララララァ.........。(泣)
一度でも私の750Lの実物をご覧になった事がある方ならご存じでしょうが、納車時からメカノイズが非常に大きく、少しばかり閉口しておりました。が、それによってパフォーマンスが落ちているという実感もなく、また、振動もそれほど酷くはなかったので、「なんだか五月蝿いエンジンだなぁ.....」程度の認識だったのです。実際、1100にくらべると750のエンジンは喧しいらしいですし。
タペットの調整をしたり、ミリテックを注入したりと、ちょこちょこと対処はしていたのですが、目覚ましい改善もなく、「まぁきっとこんなもんなんだろう」と半ば納得しかかっていたのですが........。
5月の末に阿讃サーキットの走行会に参加したとき、友人にビデオカメラを借りる事が出来たので走行シーンを中心に撮影したのですが、プレイバックしてみると「明らかに」私のエンジンから激しい「ノイズ」が出てます。(笑)隣のピットのマシンを撮影している最中に暖気しているRのエンジンノイズが録音される程までに大きかったんですね。映像を見て涙が出たよ、俺は。(泣)
いくら体感出来ないとはいえ、このまま乗り続けるとなんだかヤバそう.........。少なくとも「好い事」は起こりそうにないので、いつものごとく出入りのバイク屋に相談です。
私:「やっぱ、やかましいですよ、このエンジン」
店長:「う〜〜〜ん。確かにうるさいな。売った時よりもちょっとうるさくもなってるね」
私:「まぁ、なんだかんだで無茶な使い方してますからねぇ......」
実はこの時、偶然にも納車整備で赤黒1100Lが入庫していたんですね。2台を聞きくらべると明らかに変な音が私のRから発生しております。これはもう、1100と750の違い云々ではないレベルです。
私:「ノイズの周期からしてタコの半分ぐらいの周期なのでカムまわりですかねぇ?」
店長:「タペット調整は自分でしたんだったけ?」
私:「うん。カムスプロケとか、一応チェックはしましたが特に異常ってのはなかったように思うんですが...」
店長:「じゃぁ、試しにテンショナー、変えてみようか?」
私:「お願いします」
実際、カムチェーンテンショナーはフルオートの筈で、カムチェーンが弛めば自動的にその分を押し出してくれる筈なんですが、時々、上手く動かないテンショナーもあるんだそうです。まぁ、そんなに高い部品じゃない(¥5750-)ので、分解調整ではなく、新品交換になりました。
ところがどっこい、水冷ではないため比較的整備性の良い油冷エンジンとはいえ、この時代のスズキエンジンは全てセンターカムチェーンで、かなり奥まったところにチェーンテンショナーが位置しており、作業はかなりの困難が伴ったようです。シリンダーへオイルを送るオイルホースも邪魔な位置にありますしね。実際、この手の交換はフルオーバーホール時(要はエンジンを降ろした状態)で行われるのが普通のようですし.....。昨今のサイドカムチェーンならかなりお手軽な作業のようですが。
本当は自分でやろうと思っていたんですが、他の作業でバイクを預ける予定もあったので同時作業をお願いしました。たっぷり工賃をふんだくって下さいな。(笑)
で、仕上がったバイクのエンジンからは.............。大幅にノイズが消え失せました。いやほんま、目から鱗、耳から耳あかです。若干残っているのはチェーンが弛んだまま、結構な距離を走ってしまったからでしょうね。こんなことならもっと早くに対処すれば良かったなぁ.........。それにしても一発で正解に辿り着くところが、さすが「プロ」って感じですね。つ〜〜か、もっと早く提案してくれよ。(笑)
さて、手許に残ったテンショナーを子細に眺めてみても、取り立てて「壊れている」ってイメージはありません。逆戻り防止のツメの反対部分には幾分擦れた跡(写真丸部分)があり、しばらくこの位置で固定されていた事が伺えますが、ツメ2つ分程度に渡って跡が残っていますので一応動作はしていたようです。テンショナー全体の調整ストロークは約20mmで、もっとも緩めた位置から約7〜8mm部分にその擦れた跡がありますので、カムチェーンの伸びもまだ余裕ありって感じなのでしょう、きっと。このテンショナーも恐らく一旦スプリングをフリーにし、分解/組み立てすれば再利用可能だったんだと思います。(事実、写真でご覧の通り、無負荷では一番押している状態まできちんと伸びてますもんね)
じゃあ、新品とったのは無駄な買物だったのか?
色々な考え方があると思いますが、調整で直らなかった場合、その時点で改めて新品を注文する事になるので、結果的に2度手間になる(工賃は当然倍、修理期間も伸びますな)こと、部品単価がそれほどでもない事など、総合的に考えるとあらかじめ新品を注文し、交換作業を実施するというバイク屋の提示は理にかなった物だったと思っています。そもそも今回の目的は「カムチェーンテンショナーの交換」ではなく、「メカノイズを消してくれ!」であり、作業後はきちんと結果が出ているのですから。(ちなみにバイク屋はこんな話は微塵もしません。私が勝手に思っている事です)
工賃はいつものごとく「内緒」です。今回は同時作業がかなりあったのでトータルでは結構な金額になっております。けどまぁ、バイク屋に巡り会うのは「運」だと良くいいますが、ほんと、そんな感じ。丁寧で正直な作業は、ほんま、安心してバイクを預けられますね。泣きの入った苦労話を聞くのも楽しいし。(笑)
まぁ、自分でゆっくり作業できる環境があれば一番なんでしょうけど、露天作業ではなかなか..........ね。ガレージがある人が羨ましいです、ハイ。
同系列の油冷エンジンを積んだGSX750Fにお乗りの大熊さんのサイトでこのテンショナーについて取り上げられていたので、ストックしてあった中古テンショナーを引っぱり出してみました。
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黄色の矢印が回り止めのノックピンです。指摘されてみれば確かに少し外側に出てきているような気がします。ここが緩むとテンショナーのチェーンを押すロッドが赤色の方向に回転しようとしてしまいます。 |
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少しハンマーで打ち込んでみました。あまり打ち込み過ぎるとロッドと接触してしまい、ロッドが動けなくなるのでさじ加減が難しいところですね。 |
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このテンショナーを再び装着することがあるのかは不明ですが、装着時は左図のように完全に分解し、赤色の丸部分だけを先にエンジンに装着します。(ロッドは一番奥のツメまで押し込んでおきます) その後、スプリングをセットし、ガスケットワッシャとボルトを装着すると、スプリングのテンションでプッシュロッドがカムチェーン側に押され、カムチェーンにテンションがかかるようになります。 |
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