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●ドライブチェーンの交換とギア比の見直し


使用済みの前後スプロケット
10年前にしては斬新な肉抜き加工ですね>リア

 実はドライブチェーンの寿命が来ました。結構頻繁にチェーンメンテをしていたのでそれなりに持った印象がありますが、やっぱ、雨でも走るってのが製品寿命を縮めるようです。「寿命」といっても、切れたとかの問題が出た訳ではなく、要するに「片伸び」とでも言いますか、給脂/遊び調整をしても、押し歩きの時に「ゴリゴリ感」が出たまま消えなくなったんですね。リンクの動きはそれ程渋くはなかったので、プレートが伸びたんでしょう。出先で雨だとグリスが流れたまま結構な距離を走りますもんねぇ。

 で、今すぐ交換しないと何か問題があるのか?と問われれば何もないのですが(笑)、使用目的のほぼ90%がスポーツ走行なので、こういったフリクションはどうにも気持ちが悪いんですな。納車してすぐにフロントのスプロケを交換してギア比を変更しているのですが、1年程乗ってみて若干調整したい部分もありましたので、寿命が来たチェーンと同時に前後のスプロケもあわせて交換しました。ま、駆動系を変える時は全てセットでというのがお約束でもありますし。安くはないけどね。

 銘柄も色々提案されたのですが、金色のチェーンは趣味じゃないので、ノーマルと同じ地味な銀色にしました。RKのGP50HFOって銘柄だそうです。改良されたOリングで耐久性がいいとかなんとかカタログには書いてあったような気がします。(あまり興味がない)あ、本来の耐荷重性能では750にHFOってのは少々力不足みたいですが、メーカー(RK)推奨品だったのできっと問題ないのでしょう。最近の100馬力オーバーの600ccにも採用されているようですからね。

 さて、懸案のギア比ですが、今の状態(F14/R43、減速比3.071)を1年間乗ってみた感想は、「かなりイイんだけど若干ローギヤードすぎるかなぁ........」って感じです。ノーマル(F15/R43、減速比2.866)よりは全然乗りやすいのですが、いかんせんエンジンブレーキが効き過ぎるきらいがあります。まぁ、コントロール不能に陥る程ではないのですが。

 所詮減速比は前後スプロケットの組み合わせでしか設定できませんので、今より若干ハイギアードで、なおかつノーマルよりはローギアードな数値にしようとした場合、現実的な組み合わせはそれほど多くありません。で、結局、F15/R45、減速比3.000という、いわゆる「リアの2T上げ」に落ち着きました。偶然にもこの組み合わせはR750Kと同じ数値です。チェーンの長さもノーマルのままの108リンクでOKでした。今までよりリアのスプロケットが大きくなったのも影響して、ホイールベースが10mmほど短くなったのも思わぬ効果でした。

 前後スプロケットの銘柄はサンスターという国内メーカーを指名しました。非常に評判が良かったからです。元々(今もか)OEMメーカーで、国内の全てのバイクのスプロケットはこの会社が作っているそうです。

 

 前回交換時期不明(恐らく出荷時のママ)のノーマルリアスプロケ。ちゃんとチェーンのメンテすればこの程度にしか減りません。まだ使えそうですが、さすがに山の右側が減ってますね。

 交換後約8000km走行後のAFAMフロント。こちらは距離のわりに結構減ってます。伸びたチェーンと噛み合うように減ってるという説もありますが、鉄のわりにはあまり耐久性が良くないのかも知れませんね。

ちなみにスプロケはチェーンと噛む瞬間と離れる瞬間が一番減るそうです。
駆動時はフロントは歯の左側、リアは歯の右側がチェーンと噛み合いますので減るのはそちら側の斜面です。

チェーンへの給脂の「肝」もここにあって、リンク(Oリング部分)よりも
スプロケと接触しているローラーがいかに軽く回るかに重点をおいた方が長もちしますよ。
ロングライフタイプでこれを満たすグリスを私は知りません。

【00.07.29】追記

 ついでなのでちゃんと解説しておきますね。

 チェーンの構造は概ね左図のようになっています。(左がシールチェーン、右がノンシールチェーンです。Oリングの有無以外に構造に大きな違いはありません。どうでもイイですが、一応、アウターのみゴールドなチェーンのイメージで描きました(笑))

 リンク部分の構造は単純なようでいて結構複雑になっています。中央を貫通しているピンはアウタープレートに圧入されており、ピンとインナープレート(ブッシュ)の間にはグリス(左図では赤色)が封入されています。シールチェーンの場合、そのグリスをOリングを用いて流出するのを防ぐ構造になっています。Oリングさえきちんと機能していれば内部のグリスが流れる事は無いので、この部分への必要以上の給脂はシールチェーンでは汚れをよぶだけであまり意味はありません。ここへの給脂はOリングと両プレートとのフリクションを減らす意味しか無いので、しっとり湿る程度(油分が切れると摩擦で千切れますので給脂は必要です)でイイと思われます。

 逆に、ここにたっぷり給脂する必要があるのはノンシールタイプのチェーンです。このタイプのチェーンでは、抜けてしまったグリスを補うため、プレートの隙間からブッシュ奥までグリスを浸透させる必要があるのは左図からもご理解いただけると思います。

 反対に、チェーンのタイプを問わず、ローラーとブッシュ間にはシールがありませんので、ここへの給脂をさぼるとすぐに「かじり」がでて、ローラーがスムーズに回らなくなります。

 1リンクにつき、給脂は「4箇所(Oリング部分2箇所+ローラー両端)」で、ローラー両端部分を重点的にというのはこのようなチェーン構造上の理由からです。

 

【02.09.16】某氏からのメールにより、内容を一部修正しました。(泣)

 これで手許には(恒常的に使えるかどうかは別にして)F14/15、R43/45の4枚があることになります。本気でセッティングする時期が来た時にもなんとかなりそうな感じですね。ノーマルよりもロングな組み合わせが無いところが使い方を物語ってはおりますが。(笑)

 あ、ちなみにノーマルと現状での最高速は計算上、

 ノーマル:273.57km/h 6速12500rpm(15/43 170/60-17)
 現在  :258.89km/h 6速12500rpm(15/45 180/55-17)
 今まで :252.90km/h 6速12500rpm(14/43 180/55-17)

となっております。ちゃんと出るのかどうかは知りませんけど。


すでに雨でグリスが流れてますな。

 そうそう、交換作業はバイク屋さんまかせです。リアの交換ぐらいは自分で出来そうだったのですが、フロントの交換にはインパクトが要るし、そもそもチェーンカッタなんて何度も使うものでも無いので買うのも馬鹿らしいし。フロントとチェーンだけ交換してもらってリアだけ自分で......ってのも不自然ですしね。(笑)


【00.11.13】追記

>> あ、ちなみにノーマルと現状での最高速は計算上、

>> ノーマル:273.57km/h 6速12500rpm(15/43 170/60-17)
>> 現在  :258.89km/h 6速12500rpm(15/45 180/55-17)
>> 今まで :252.90km/h 6速12500rpm(14/43 180/55-17)
>>
>>となっております。ちゃんと出るのかどうかは知りませんけど。

 竜洋での走行会に参加した時、全長2500mの裏ストレ-トにてきちんと6速レッド(13000rpm)まで回る事を確認しました。その時メ-ターは265km/hあたりを指していました。案外誤差は少なそうです>Rのメーター。4速で何処まで伸びるのかも合わせてチェックすると13500rpmでレブリミッターが作動しました。

 パワーチェックの結果からも想像していたのですが、12000rpmを越えるとトルク感が薄くなり、惰性で回っている感じが強くなりますけど、10年前の750エンジンがこれだけ回るとなんだかニヤニヤしてしまいました。惚れ直しちゃったよ、ほんと。


【02.04.17】

 暇だったので追記。D208の170サイズを履いた時の各ギアの速度はこんな感じです。(スリップ係数は無視)

 レッド近辺ではタコメータの表示もかなり怪しいので、今のファイナルではいいとこ実測260km/hも出ないものと思われます。

 上図のパワーグラフのトルク曲線から、7000〜11000を事実上のパワーバンドと考えると、もう少しワイドなギア比でも楽しめるかもしれませんね。どうでもいいですが、ここでも書いている通り、国内向けK型以降は3〜5速の変速比がJ型とは異なります。(6速を基準に考えるとJ型よりもクロスしています)








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