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●キャブレターのオーバーホール


普通に端末を通って注文できたニードルジェットとジェットニードル

 いやぁ…実に久しぶりの更新なもので、一連の更新手順というか、流れを完全に忘れています。(汗)

 ネタギレ気味と心情を吐露しておりましたが、暖めていたネタは幾つかあり、その一つが今回のキャブレターのO/Hです。今年に入り、今までタブーとしてきたキャブの脱着を伴う小作業を何度か実施(未レポート分を含む)してきてそれなりにノウハウが溜まった&実際にニードルの磨耗を目視しており、60000km走行も間近なため、今年の走行予定が全て終われば、せめてニードルぐらいは交換しようと計画していたのですが、来週の週明けに某走行会でTIサーキットを走ることが急遽決まったため、予定を繰り上げて作業となりました。

 非常に薄いですが、17D00の刻印がキャブレター左側にあります。欧州一般仕様のASSYですね。その下のE052の意味は良く分かりません。

 刻印といっても印刷っぽいので、キャブクリーナなんかを掛けて掃除したら消えてしまいそうですから、過去にOH暦のある逆輸入車(R1100など)だと刻印からの仕向け地特定は難しいかも知れません。

 まずは交換部品の手配なのですが、逆輸入ということもあり、針などは車検証のコピーが必要かと思いきや、割とすんなり端末を通りました。きちんと確認していませんが、同じ部品を使っている国内モデル(GSX-Rとは限らない)があるんでしょうね。

 今までフロートを一度も開けていないので、各種ジェット類の状態が確認できないため、MJ等も注文するかかなり迷ったのですが、キャブが原因で不動になっている訳ではないのでジェット類はそのまま使いまわすことに決定し、ニードルジェットとジェットニードルをそれぞれ4個づつ注文。

  ●ジェットニードル(針) 13383-17D00 (6ZD7-3) @ 710円
  ●ニードルジェット(筒) 09494-00675 (O-8)   @1200円 (品番統合により 09494-00724 が入荷)

の合計7640円(税抜き)となりました。

 で、作業にとりかかる前に届いた部品をじっくりチェックしたのですが、今回届いたニードルジェットには何故かエアブリード用の小孔が開いておらず単なる真鍮の筒だったので本当にこの部品でイイのか悩みました。というのも、国内/輸出のパーツリストのNJの絵には共にエアブリードの孔が描かれていますし、キャブ本体のクリーナ側開口部にはきちんと生きているMAJ (1.2)が実装されているのを以前に確認していたからです。つまり、このニードルジェットを装着するとMAJ で計量したエアをニードルジェット内で混合出来ないんですよね…。ま、負圧が発生しないのでそもそもエアの計量自体が出来ないといえばそれまでなのですが、その場合はMAJ部分をメクラ蓋にするのが一般的ですので、わざわざジェットを実装している意味が全く不明です。(TMRやFCRのNJにも孔が開いてませんが、こちらはジェットホルダなどにMIX用の孔があります)

 品番統合が行われていることもあり、「統合時に部品番号の入力を間違えたんじゃなのぉ?>スズキ…」などとちょっとブルーになりました。

BSTのメイン系

 上図はR750LではなくR750JのBSTキャブの概念図ですが、構造はそれほど変わらないので流用します。

 NJ部分が点線になっているのはその部分に小孔が開いており、MAJで計量されたエアが、MJで計量されたガソリンとここ(筒内部)で混合され、NJとJNの隙間から混合気となってシリンダに送られます。が、今回届いたNJには小孔が開いていませんので、せっかく計量したエアはどこにも行き場所がありません。(NJ上部接合面はOリングでシールされてますし、下部はMJのエッジでボディとの隙間を塞いでいる構造になってます)

 要するに、NJに孔がないのが仕様(そういうキャブもあります)であればMAJは必要ではなく、MAJを生かすのであればNJには孔が必要な構造なのですが…

 ま、あれこれ悩んでも仕方がないので、とりあえず「キャブを開けて品番統合前のNJに孔が開いてたらスズキにクレームだぁ!」っとSBSに話だけ通しておいて作業に入ります。キャブの脱着自体はかなりノウハウが溜まったので、まぁ3時間もあれば作業は完了だろうと思っていたのですが…

 恥ずかしい話ですが、フロートチャンバーを固定しているネジを2本も舐めてしまい(泣)、それを外すのに予定外に時間を喰ってしまいました。

 問題の舐めたネジ。幸い、ノコが入る位置だったので、マイナス溝を切って対処。一応55-6を吹いて30分程放置してから作業したのですが、ヌルッ!っとした感触が伝わって来た時には途方にくれたなぁ…

 番手でいうと+の2番ドライバを使うネジなんですが、事前にドライバを整形し、ジャストサイズに加工してのこの始末。

 組立時は事前に用意していたステンのキャップボルトに交換しました。(フロート室のネジのみ)

 つまらないところで時間を喰ってしまったのでここから先は作業写真があまりありません。(笑)

 

 とりあえず、1気筒分のキャブ内部パーツ。交換しないジェット類はネジを舐めるのが怖いのでボディに装着したまま軽く洗浄しました。

 フロートは結構香ばしい色に変色してましたが、MJ等のジェット類は綺麗なものでした。 パイロットスクリュも以前に分解洗浄済みなので今回は外してません。

 つか、日没が怖くて。(笑) 晩秋の夕暮れは早いですしね。

 樹脂製のセンターブロック(バネの下に置いてある丸い穴が開いてるパーツ)はかなり汚れてました。バキュームピストンと直接コンタクトする部品なので磨耗も心配なのですが、このパーツは単品では取り寄せることが出来ません。

 4番のフロート部分。これといったゴミもなく、各種ジェット類も綺麗なものでした。やっぱ、定期的に乗るのが一番イイようです。

 フロートチャンバーの写真は取り忘れましたが、ドレン部分に僅かにゴミが溜まってましたが、これは恐らく以前にフロートを外さずにキャブクリーナを吹いた際にドレンに落ちたものだと思われます。クリーナを吹くだけで簡単に落ちました。

 また、一時GSX-R BBSで話題となっていたフロートに圧入されているスタータジェットの脱落もありませんでした。(笑)

 分解時のTipsになりますが、NJ及びジェットブロックを取り外す方法です。

  1. まずMJとMJのホルダを取りはすし、NJ のネジ穴(MJが噛む雌ネジ)にキャブのトップキャップなどに使われているネジを2〜3回転ねじ込みます。(左図)
  2. そのままキャブのトップ方向にネジを押し込むとNJと一緒にジェットブロックが抜けますので、ネジを取り外した後にキャブをひっくり返し、トップキャップ側に引き抜きます。
  3. ジェットブロック下部にはOリングがセットされていますので紛失に注意。
  4. 組立時はNJの切り欠きをキャブボディの凸部に合わせて押し込みます。セットが甘い場合は外す時の逆手純でNJに再度ネジをねじ込み、プライヤなどでフロート側に引っ張れば所定の位置にセットされます。
  5. MJを締めこんで、MJ座面でNJを引っ張り上げる方法は推奨しません。

 時間があればスタータのプランジャも外して経路を完全に洗浄したかったのですが、日没を考慮し、フロート側からクリーナをたっぷり吹いて終わらせざるを得なかったのが心残りです。(フロートについてるスタータジェットの経路にもクリーナは吹きました)

 で、前述のNJですが、結果からいうと輸出仕様のNJには孔が開いていないのが仕様のようです。

 取り外したNJ。どこにも孔がありません。(刻印のO-8も確認済)

 ま、届いたパーツが正常な代換品だと分かったので安心して新品を組み込めましたが、何故MAJを生かしているのかは不明なままとなってしまいました…。(本来は矢印部分のくびれた青色着色部分にエアが導かれ、筒に開いている小孔から筒内に混入してガソリンとミックスさせる構造。現状は孔が無いので、ここにエアが来ても行き場所が無い状態。実際、ここ迄エアが来ていることはクリーナを吹いて確認済)

 仮にレースキット等でMAJを生かせるようになるのだとしても、ノーマル状態ではメクラ蓋をして通路を殺した方が無駄なトラブル(詰まりなど)を防げると思うのですが…。

 メーカーの考えることは良く分かりませんね。

 国内モデルをフルパワー化された方々、国内ノーマルのNJには孔は開いてましたか? GSX-R BBSに是非書き込みをお願いします。

 ←ちなみにこっちが一般的なNJ(KATANA250のBSTより)です。

 180度反対側にも4個孔が開いており、計8個の孔からエアをMIXさせるようになってます。

 BST勉強用にずっと持っているのですが、ボディサイズが違うので今のRに流用できる部品は少ないです。

 おまけ:

 デジカメの性能が良くないので分かりづらいと思いますが、JNの磨耗が激しい部分は左の3箇所でした。おおまかに考察すると左からアイドル〜1/8開度付近、1/4開度付近、一番右が全開域あたりですね。

 負圧キャブなので、スロットルグリップの開度とは一致しません

 矢印あたりが磨耗して微妙に光っているのがお分かりなりますかね?

 指でさわっても段差はそれほど実感できないのですが、表面のコーティングがはがれて地金が出てます。

 また、振動の割にはニードルは回転運動などはせず、常に同じ方向に力がかかっている様子も推察出来ます。ダイヤフラムのバネって意外とテンションがかかってるのかも。

 対するNJの吐出部分(ニードルが入る部分の出口)は虫眼鏡で拡大して目視しても減っている様子がありませんので、ひょっとしたら無交換でも良かったかもしれません。

 ま、キャブはミクロンの世界なんていわれますので、交換できるパーツは交換するのが安心でしょうね。ちょっと高いけど。

 そんなこんなで、全気筒の洗浄を終え、新品のNJ/JNを組み付け、キャブを組み上げます。時刻は午後4時半。そろそろ日が暮れてきてます。(泣)ガレージが無い(←甲斐性が無いと同意)ことを嘆きつつキャブを装着し、各部のパズルを組み立てます。タンクを載せてPRIの位置にコックをひねり、セルを回すと…

 あっさりアイドリングを始めてくれて一安心。「ここでオーバーフローすると泣くなぁ…」などと暫く様子を見ましたが、大丈夫なようです。

 大急ぎで外装を組み付け、とりあえず今回の作業は終了しました。

 別件でSBSに行く用事もあったので、そそくさと工具を片づけ、試乗も兼ねて夕暮れの新御堂を北上します。アイドリングの時にはあんまり違いが判らなかったのですが、クラッチを繋ぎ、走り始めた瞬間にはっきりと違いが体感出来ました。なんというか、とてもシルキーなフィーリングです。微振動も減り、気持ちよくエンジンが回ります。江坂を越えた辺りから少し大きめにスロットルを捻ると、ますます快調な雰囲気。

 ウダウダと遅く迄SBSで過ごし、再度新御堂を南下して帰路につきます。日曜夜の南行きはかなり空いているので、ちょっと人には言えない速度迄4〜5速で引っ張ってみます。いやはや…

 今までも走行距離の割には快調だった(実施そうだと思う)のですが、それに輪を掛けてといいますか、全体的にパワー感が増したのと、エンジンの回り方が上質になったというか、綺麗に燃えている感じがします。高めのギアで低回転域から一気にスロットルを捻った時の回転上昇もとてもスムーズになり、また、低めのギアで引っ張ってスロットルを急閉した時のエンブレの効き方もとてもマイルドになりました。実質的にニードルしか交換していないようなものなのですが、それでもアイドル付近から全開迄、ほぼ全域に渡って変化があり、また、マイナス方向の変化が全くないのが印象的です。あの程度の磨耗でも結構燃調は影響を受けてるんですね。1本700円程度なら10000km毎に交換してもそれほど過剰整備では無いような気もする程、久々に効果を実感した整備となりました。

 スタータプランジャの分解洗浄が出来なかったことが悔やまれますが、慣れたとはいえキャブの脱着は様々なリスクも伴いますので、これで暫くはキャブを外すことは無いと思います。

なお、「メクラ蓋」なる表現には様々な問題を抱えているのを承知した上で、代替表現の有無などの事情を考慮し、敢えて使用しております事を明記しておきます。








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