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●油冷エンジンモデルのマフラーの互換性

GSX-R BBSにて継続的に繰り返されるマフラー関係の質問です。

 GSX-Rシリーズは大きく分けて4つのタイプに分類されます。登場順から、油冷前期(85〜87R750、86〜88R1100)、油冷後期(88〜91R750、89〜92R1100)、水冷前期(92〜95R750、93〜98R1100)、水冷後期(96〜R750、98〜R600、00〜R1000)となりますが、殆どの場合、R750がベースエンジンとなっている関係で、同タイプ間であればパーツはマフラーに限らず小加工で流用できる可能性が高いです。但し、マフラーは性能直結パーツですので、排気量が違うモデルのマフラーが「付いた」からといって、エンジン性能も上がるとは限りません。しかし、750/1100で共通マフラーをしてリリースしているメーカーもありますので、このあたりはトライアンドエラーになるのかもしれません。

 なお、水冷以降のモデルについては当方に十分な資料がない為、私には分かりかねますのでご了承下さい。

 油冷前期モデル間

 基本的にキャブピッチ、排気ポートピッチなどが共通で、マフラーもノーマル状態で4-1集合ですので、排気量差によるシリンダ高さにさえ注意すれば750/1100間で互換性があるようです。

 油冷後期モデル間

 キャブピッチ/排気ポートピッチなどは共通なのですが、88〜89R750、89〜92R1100は二本出しマフラー、89RK〜91R750は4-1集合となっており、両者はオイルパンの形状及びオイルクーラーホースの取り出し位置が違います。(下図参照)

 油冷前期(R750、R1100)及び89R750RK〜91R750Mはこのタイプのオイルパンを採用しています。(品番は同じです)

 89R1100K〜92R1100M、88R750J〜89R750Kはこのタイプのオイルパンを採用。(これまた品番は同じ)

 赤色の部分がオイル排出の為に出っ張っている部分、矢印がオイルクーラー用ホース取り出し口です。左のオイルパンではオイルパン下側からクーラー用ホースを取り出しており、集合管はオイル排出の為の出っ張りとクーラー取り出し口(この図では左側)の間を通るように取り回しています。対して右側のオイルパンでは、クーラー取り出しはオイルパン前面に位置しているのですが、中央部にオイル排出用の出っ張りがある為、それを避ける為に集合部はかなり(図では)左側にオフセットして取り回されています。

 ですので、前期型オイルパン対応の集合管を後期型に流用する場合はオイル排出部の出っ張りが、逆の場合はオイルクーラー取り出し部分(フィッティング)が、それぞれ干渉してしまいますので、基本的に流用は出来ないようです。

 但し、オイルパン自体は相互にボルトオン(内部パーツやオイル取り出し部は除く)ですので、その気になればどうとでもなると言えなくもないですね。車載のままでは交換は大変ですが、OHついでにGSFタイプのオイルパンに交換するのもイイかも知れません。

 前期/後期モデル間

 前述のように、オイルパンの問題さえクリアできれば集合部までは殆ど問題なく装着できるのですが、そこから後のテールエンドまでは取り回しが全く違いますので、ノーマルの装着方法ではマウント出来ません。ま、このへんは力技でなんとでもなる部分ですが、後期型に前期型のマフラーを流用するのはバンク角が著しく減少する関係で何のメリットもないでしょう。

 また余談ですが、前期型のRにはGSX系のマフラーが小加工(主にマフラーステー部分)で流用できますので、取り回しなども考えるとこちらからの流用のほうが現実的かもしれません。(エンジン側はほぼ加工不要) 尚、前期型R用マフラーをGSX系に流用するのもかなりポピュラーな流用チューンです。

 最新の油冷エンジン搭載機のマフラーは流用可能か

 GSFやイナズマ、GS1200ssなど、未だに現役で使われている油冷エンジンですので、これらのモデルのマフラー流用を考える方も多いようです。パーツリストを持っていないのでオイルパンの図を載せられないのですが、これらのモデルに使われているオイルパンは油冷前期型のタイプよりもさらに右側にドレン部を寄せた造りになっています。ですので、この部分のクリアランスがタイトなマフラーの場合、R純正のオイルパンのままでは干渉する可能性がありますが、それさえクリアできれば流用はかなり容易そうです。ちなみにこのGSF系オイルパンをRに流用する手法はポピュラーな純正流用チューンです。

 【02.10.23】追記

 先日、R750Lの純正エキパイ+GSF1200の純正マフラーの組み合わせにチャレンジしたのですが、結論からいえば【NG】でした。油冷のGSX-Rは初期/後期をとわず、リアブレーキがフレームまで伸びたトルクロッドでフローティングされている関係で、GSFなどのスイングアームでトルクロッドを受けているセミフローティングタイプの車種のマフラ中間パイプの取り回しでは干渉してしまいます…。集合部の勘合径は一緒だっただけに少し残念ですね。

 解決方法は2種類考えられます。

 1)RのリアブレーキをGSFなどと同じようにセミフローティング(リジッド)に加工する。この場合、マフラーは恐らく無加工で流用できる上、リアブレーキの効きが向上するメリットも考えられます。

 2)GSF系の中間パイプの干渉部分をハンマーなどで凹ませる。溶接などの必要はないですが、排気効率は少し下がってしまう可能性があります。

 【02.12.14】追記

 カタナスリーさんのご好意でGSF1200純正エキパイを手配できたので、私のR750Lにあわせてみました。が、残念ながらこちらもNGでした… これがボルトオンならド鉄のR750L/Mのエキパイを安価にステン化出来るのですが…。

 左がGSF1200のノーマルエキパイ、右がR750Lのノーマルエキパイです。一番の心配だったRのラウンドオイルクーラーへの干渉は無かったのですが、GSF用エキパイの集合部がR750Lのオイルパン下部オイルクーラー取り出し部分に干渉してしまいます。

 あと5mmあれば…って感じでしたので、個体によっては装着できる物もあるかも知れません(公差があるので)が、後述の理由により、あまりお勧めでは無いかも知れません。

 中間パイプへと繋がる集合部出口の角度も両者でかなり違いますので、GSF用のスリップオン流用は難しそうです。


【04.05.02】追記

>> GSF用エキパイの集合部がR750Lのオイルパン下部オイルクーラー取り出し部分に干渉してしまいます。

 干渉するのは左の写真の矢印部分です。。GSF系の油冷エンジンは送り戻りともオイルパン前方にオイルラインがフィッティングされていますが、集合管を採用している油冷Rのオイルパンはこの部分にオイルクーラーからの戻りラインがフィッティングされています。GSF系ではこの部分はふらっとですので、両者の集合部までのエキパイの取り回しの違いも納得ですね。

 どうでもイイですがエキパイとオイルパンの上下のクリアランスはかなりカツカツな設計です。(笑) さすがレーサーのベース車ですね。

 

 エキパイ径の比較。左がGSF1200、右がR750Lです。GSFのエキパイは思いの外内径が絞られていますね。

 あと、驚いたのがGSFエキパイの重さです。秤が無かったのでちゃんと計測はしていませんが、手に持った感じだとR750Lのエキパイの1.5倍はありそうでした。

 前述の干渉部分をヘンマーで凹ませれば比較的簡単に装着できそうでしたが、このエキパイ内径の減少と重量増に目を瞑ってまで純正流用でステン化するメリットはあまりなさそうです。

 純正流用も難しいですねぇ…

 総論

 油冷前期型 タンデムを活かすのであれば流用できるマフラーはかなり限られる上、750/1100とも専用中古パーツが比較的潤沢に流通していますので、それほど困る場面はないと思います。強いていえば、エンジンを下ろしたついでにGSF系のオイルパンに交換すれば将来への選択肢が増えるって事ぐらいですね。(オイルラインも変更する必要がありますが)

 後期型二本出し

 R1100に関しては専用中古マフラーは潤沢に流通していますので困る事は何もないでしょう。強いていえば、前期型と同じくエンジンを下ろした時にオイルパンを新型に交換する事でしょうかね。

 R750に関してはマフラーの流通量が現在では殆ど無いのでかなり辛いですね。新型オイルパンに交換すれば、GSF1200/750系マフラーを含め選択肢はかなり上がる気がしますが、エンジンを下ろしての作業となる為、後期型R1100用を流用するのが一番現実的かもしれません。が、国内モデルの場合、吸気系も同時に見直さないとセッティングが出ないでしょうし、オイルパンと集合部の隙間が一番大きくなる組み合わせなのでルックスも「いかにも流用してます!」ってな雰囲気になってしまうかもしれません。ま、とはいってもたかだか14mmですので、アンダーカウルを付けていれば、誰も気付かないかも。(未確認)

 後期型一本出し 

 後期の一本出しはR750RK/L/Mしかないですね。(汗)

 マフラーが流通していないのはR750J/Kと同じですが、スリップオン構造である事を含め、比較的マシな状況です。フルエキへの換装も、オイルパン部の干渉にさえ気をつければGSF/INAZUMA系の社外品を小加工すれば流用できるマフラーは多そうです。オイルパン下部のオイルラインとリアのトルクロッド結合部分のクリアランスあたりが流用出来るか否かの分かれ目に成る気がします。この辺はメーカーさん毎にバラバラでしょうから、実際の装着状態を現車や写真でしっかりと確認するのが肝になると思います。幸い、GSFもINAZUMAもネイキッドですので、駐車車両を覗くのもそれほど困難ではないかも…(笑)

 GSX-R BBSにてyabuさん/F田さんより、イナズマ用のヨシムラチタンフルエキが小加工で流用できたとの情報を頂きました。情報提供を感謝します>yabuさん/F田さん なおF田さんのサイトにて具体的な流用手順が掲載されています。


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