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●クラッチ周りの総交換(その2)

【04.12.26】


新旧インナーバスケット比較
とはいってもどっちも中古品なんですが…(汗)

 ってことでいよいよ交換作業に取りかかります。当初は露天での完全DIY作業となる予定だったのですが、別件でSBSさんにお邪魔する事になっていた為、ご厚意に甘えて工場の片隅で作業をさせて貰う事にしました。ほんと、お世話になりっぱなしです。

 オイルを抜いて作業するか否かを悩みましたが、店長の助言も有り、サイドスタンド+廃棄品のスクーター用MFバッテリーを前輪の下に敷いて角度を稼いで作業を実施する事に決定。工場にRを持ち込み、いそいそとアンダーカウルを取り外し、前輪の下にバッテリーを敷き、念のためにフロントブレーキをタイラップで縛ってから、いよいよクラッチAssyへアクセス開始です。まぁ、カバーは以前に一度開けているのでそれほど不安は有りませんでした。

 クラッチカバーを開けた所です。手順は、

  1. クラッチレリーズからクラッチワイヤーを抜く(ノーマルは割ピン)
  2. クラッチワイヤーのロックナット(12mmスパナ)を緩め、カバーと分離
  3. クラッチレリーズをシャフトから取り外す(8mmメガネ)
  4. 9本の六角穴ボルト(多分5mm)を均等に緩めつつ抜く
  5. プラハンなどで優しくカバーを叩き(右下にそれ用と思われる部位有り)、ケースとカバーを分離
  6. シャフトを回しながらカバーを手前に引き抜く

です。ケースとカバーの間にはノックピンが2本入ってますので、コジっても抜けませんのでご注意を。

 クラッチスプリングを固定している6本のボルトを均等に緩めて抜けば、クラッチプッシャーとスプリング、レリーズラックなどが引き抜けます。

 左の写真はその状態です。(一番外側の鉄板がプッシャーに張り付いて外れたので、摩擦材が顔を出してますね)

 センターに見えるナット(32mm)を緩めればクラッチはAssyで取り外しが可能です。

 緩み止めのロックワッシャーを貫通ドライバで叩いて起こせば、このセンターナットを緩める事が出来ます。32mmという比較的大きなサイズですが、ショーワの倒立フォークのキャップが同じサイズな関係で手持ちにディープソケットが有り、当初はギアを入れてリアブレーキを踏みつつブレーカーバーで緩める予定だったのですが…

 店長のご自慢の新兵器、電動インパクトをお借りして緩める事にしました。(嬉) 真っ赤なボディーが格好イイですね。

 電動って事でトルクはそんなに期待出来ないような気がしていたのですが、このセンターナットなんざ、2秒も掛からず外れてしまいました。う〜〜む。これなら電源のない露天作業もはかどりそうなので、正直、かなり魅力的な工具です。

 けどまぁ、この手の工具を使うような整備を頻繁に行うかと自問すると…(汗) 物欲は控えないと。(笑)

 あとはアウターバスケットごとクラッチAssyを手前に引き抜けばOK…の予定だったのですが、実はアウターバスケット外周がケースのネジ山に当たってすんなりと引き抜く事が出来ません(汗) ここの分解手順は、

  1. ロックナット、ロックワッシャ、反り返ったスペーサワッシャ(ロックワッシャを折り曲げるスペースを稼ぐのに必要=山側が外側)を外す
  2. クラッチディスクを1枚づつ外す
  3. インナーバスケットを引き抜く
  4. ワッシャを1枚外す(表裏無し)
  5. シャフトに填っているスチールカラーを何とか引っぱり出して引き抜く
  6. ベアリングを引き抜く
  7. カラーとベアリングが抜けた分だけシャフト側内径が広くなるので、少し斜めにしてケースのネジ山を避けつつインナーバスケットを取り外す
  8. ワッシャを1枚外す(面取りされている面が奥)

って感じです。一番苦労するのは5の部分でしょうが、マグネットで引っ張ってウォーターポンププライヤなど、口が大きく広がる物で掴めば割とすんなり引き抜ける…かも。(実はこの部分で店長の手を借りてしまいましたので、今回は完全なDIYではないです←露天作業でこの時点で躓くと立ち直れなかったかも)

 かなり綺麗だったケース内部。なんというか、こういう姿を見ると無意味にドキドキして胸が躍ります。ギアやシャフトを意味もなく回してみたりしてしばし堪能したりして。←かなり重症(笑)

 上側にはジェネレータのギア、右下にオイルポンプのギアが見えます。(両ギアともアウターバスケットに装着するギアで駆動します)まん中のシャフトにクラッチAssyが装着され、その左のシャフト(こっち側からは背中しか見えない)に付いたドライブスプロケットでチェーンを駆動します。

 ケースの上下分割面にクランク/メイン/カウンタの3軸が並んだオーソドックスな造りのエンジンですね。

 ちなみに赤い矢印のネジ山にアウターバスケットが干渉します。エンジンの前後長を詰める為の苦肉の策なんでしょう。

 あとは修正済みの各部品を逆手順で組んでいけばOKです。(写真はロックワッシャを折り曲げる前ですね。あ、鉄板は面取りされている側を奥に揃えて組みました。)

 今回はワッシャ類のみ全て新品を手配、その他の部品は中古部品に装着されていたものを再利用しています。

 サービスマニュアルでは、一番奥に組む摩擦板(クラッチドライブNo.2)は波打っているように書かれていますが、今回手に入れたAssyにもそれらしい摩擦板は組まれていませんでした。ただ、摩材表面に印刷されている記号(オイル成分が乾くと読める)が違う&外周の歯の部分に白いマーカーで一部ペイントされている物が一枚だけあったので、それを一番奥にして組みました。(この件、マニュアルのR750RKのページに記載があります。但しRK=摩擦材の9枚/鉄板8枚、L/M=摩擦材8/鉄板9枚)

 あ、カバーのガスケットも手配していたのですが、破かずに外せたので再利用してます。(笑)

 カバーを装着し、クラッチの遊びを適当に調整して祈るようにセルボタンを押すと実にあっさりエンジンはアイドリングを開始。目立った異音がないのを確認してスタンドを払い、まずはクラッチレバーを数回握ってクラッチ板の間にオイルを送ります。次にフロントブレーキを握りながらギアを入れ、何度か半クラッチを断続させてディスク面を馴染ませ、一端エンジンオフ。

 工場からRを引っぱり出して再度エンジンを始動し、ギアを6速まで上げてクラッチを離すとあっさりエンスト。滑りもないようですので、試走を兼ねて決済用の現金をおろしに銀行のATM(こないだ財布を落として以来、現金をあまり持ち歩かないようにしている)に向かいます。試乗の感想はというと…

 

 

 

 

 

 

 なんだか期待してたほどフィーリングに変化がないなぁ…

でした。(汗)いや、交換前の状態が無茶苦茶酷かった訳ではないのである意味当たり前なんですけどね。(笑) ただ、発進時の半クラッチの状態(シフトアップに関しては普段からノークラシフトですので、実はあんまり恩恵がない)を把握するのは格段に楽になりましたし、N→1速時の「ガコン!」ってショックは(まだそれほど走り込んでないですが)全く起きません。一番大きな変化は走行中にスロットル全オフ→クラッチ全握りした時の回転の落ち具合。交換前に比べると回転の落ちがかなり速いです。今回はオイルはそのまま=純粋にクラッチAssy間の比較ですので、ハウジングの段差が無くなった→プレートがスムーズに移動→ディスク間の張り付きが解消→キレが良くなったって事なんだと思います。

 っとまぁ、そんなこんなで無事に換装は終了です。交換時の走行距離が約74900km!ですので、これで10万キロまではクラッチに関してはノーメンテでいられれば… いいなぁ(笑)


【04.12.30】追記

 いつの間にか7000km以上も使用していた(汗)エンジンオイルを28日に交換しました。本来はクラッチassyとの同時交換がセオリーですが、オイル交換によるフィーリングの変化を嫌って少し先延ばしした訳ですが…

 期待したほどフィーリングに変化が無いってのがクラッチAssy交換のファーストインプレッションでしたが、乗り込んでいくと、「実は今まで、知らず知らずのうちに苦労していたんだなぁ…」なんて実感しつつあります。具体的には高回転域でのシフトダウンで顕著で、回転合わせが相当楽になってますし、ギアが降りない為に何度も踏み込み直す事も皆無。まぁ、今はそれほど油温が上がる季節では無いので粘度が高い状態が続いているだけかも知れませんが、わざと渋滞に捕まって油温を90℃程度まで上げてもいいフィーリングが続いていますので、かなり満足感が出てきました。(笑)

 春以降のインプレは追ってこのスペースに追記する予定です。








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