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●チェーンの構造と給脂

チェーンの構造

【00.07.29】追記

 ついでなのでちゃんと解説しておきますね。

 チェーンの構造は概ね左図のようになっています。(左がシールチェーン、右がノンシールチェーンです。Oリングの有無以外に構造に大きな違いはありません。どうでもイイですが、一応、アウターのみゴールドなチェーンのイメージで描きました(笑))

 リンク部分の構造は単純なようでいて結構複雑になっています。中央を貫通しているピンはアウタープレートに圧入されており、ピンとインナープレート(ブッシュ)の間にはグリス(左図では赤色)が封入されています。シールチェーンの場合、そのグリスをOリングを用いて流出するのを防ぐ構造になっています。Oリングさえきちんと機能していれば内部のグリスが流れる事は無いので、この部分への必要以上の給脂はシールチェーンでは汚れをよぶだけであまり意味はありません。ここへの給脂はOリングと両プレートとのフリクションを減らす意味しか無いので、しっとり湿る程度(油分が切れると摩擦で千切れますので給脂は必要です)でイイと思われます。

 逆に、ここにたっぷり給脂する必要があるのはノンシールタイプのチェーンです。このタイプのチェーンでは、抜けてしまったグリスを補うため、プレートの隙間からブッシュ奥までグリスを浸透させる必要があるのは左図からもご理解いただけると思います。

 反対に、チェーンのタイプを問わず、ローラーとブッシュ間にはシールがありませんので、ここへの給脂をさぼるとすぐに「かじり」がでて、ローラーがスムーズに回らなくなります。

 1リンクにつき、給脂は「4箇所(Oリング部分2箇所+ローラー両端)」で、ローラー両端部分を重点的にというのはこのようなチェーン構造上の理由からです。


チェーンの給脂日常整備記録より抜粋)

 ちなみに、チェーンルブにはエンジンオイルの余りを使っています。色々試したんだけど、経験上、これが一番。ロングライフタイプはチェーンクリーナを使わないときちんと古いオイルが落ちず、その上から新しいルブを注すとどんどん動きがシブくなります。Oリングならなおさら。エンジンオイルだとクリーナは使わなくてイイし、浸透性はイイし、飛び散っても拭き取りは楽だし、フロントのスプロケカバーを開けて気分が悪くなる事もないしね。メンテサイクルは短いけど。(雨天走行後は即ジャラジャラ言い出します)

 注油はリアを浮かして1コマ1コマ、オイル差しで注油するという、昔ながらの方法です。1リンクにつき4箇所の注油(プレート間2箇所、ローラー両端で2箇所)ですので、108もリンクがあると結構手間ですが、20分もあれば終わります。手間をかける甲斐あって、スプロケは殆ど減りません。

 ちなみに上に映ってるのが愛用のチェーン用オイル差しです。たっぷり使ってもこの量で5回以上給脂が可能です。こうしてオイル差しに小分けにしておけばワイヤーへの給脂などにもお気軽に使えます。


【06.01.20】愛の交換日記(笑)

 掲載の許可を頂きましたので、チェーンへの給脂絡みのメールを転載致します。

Subject:チェーンオイルについて

はじめまして、いつも楽しく拝見しています。
お聞きしたいのですが、チェーンオイルに代用しているというエンジンオイルは具体的な粘度はどのくらいなのでしょう?やはり固いオイルのほうがよいのでしょうか?

Subject: Re: チェーンオイルについて

こん**は>akioさん Ride on GSXR!のたつをです。
更新をさぼってるにもかかわらず、メールを頂き、なんだか恐縮です。

で、お尋ねの件ですが、今使っているオイルの粘度ははっきりとは覚えてないのですが、知人のバイクのオイル交換を手伝った際に出た余り物(スズキのエクスタ−)から小分けした物だったと思いますので、多分、10W-40だと思います。

固いオイルの方が… についてですけど、これも正直なところ、あまり関係ないように思います。エンジンオイルの粘度は油圧やら油膜にかなり影響しますけど、チェーンの潤滑の場合はエンジン内部程には条件はシビアではありませんし、条件が一番シビアなピンの内部にはグリスが封入されていますので。

こういったOリングのような場所(他にもスロットルパイプ内部や、チェンジペダルの軸、各種ケーブルインナー内部など)への給脂は、どのようなオイルを使うのかよりも、確実に清掃/給脂されている事実の方が遥かに寿命や操作性への影響は大きいです。

また、ギアオイルとエンジンオイルではギアオイルの方が固いと誤解されている方も結構多いのですが、75W-90のギアオイルと10W-50のエンジンオイルはほぼ同じ粘度です。これは用途の違うオイルの場合、粘度番号の基準が異なるからです。

http://www.suzukisport.com/faq/faq_oil.html

ですので、ミシンオイルや万能オイルのようなサラサラしたオイルでも、ゴムさえ侵さなければチェーンの潤滑程度には十分だと思いますよ。まぁ、給脂頻度は上がるでしょうけど。

わざわざチェーンの為に買うのも馬鹿らしいですので、オイル交換の際に缶の底の方に溜まった余りオイルを、釘などで穴をあけて別容器に集めておけば、色々使えて便利だと思います。

以上、非常に貧乏くさい答えですが(笑)、ご参考までに。

Subject:     Re: チェーンオイルについて

丁寧な回答ありがとうございます。
掲載はしていただいてけっこうです。
そうですか試しにSAE80−90Wのハーレーのミッションオイルを買ってしまったのですが
粘度は10W−50Wのエンジンオイルと変わらないということですね(涙)
SAEだからといっていっしょじゃないんですね(再度、涙)
私は今RKのチェーンルブを使っているのですが、缶の裏の説明にはOリングはおかさないとは書いてあるのですが、Oリングに栄養補給的な事をするとはかいていませんでした。
それならエンジンオイルでもいっしょじゃん!と思って代用しようと考えました。
だってチェールブとかだと450mlで1500円以上しますもんね(笑)
エンジンオイルなんかだとホームセンターとかでとても安く売ってますもんね、下手したら、4L1000円くらいで売ってますよね。だからだしおしみしながらチェーンルブ使うより、たっぷりエンジンオイル使ったほうが絶対チェーンにもいいですよね!
チェーンルブはだいたい500km毎に掃除グリスアップしていたのですが(雨にうたれた翌日とかはやります)エンジンオイルにするので、100km毎くらいに給油していきたいと思います。

最後に丁寧に答えていただきありがとうございます。このホームページは非常に細かい解説で、とてもわかりやすいです!たつをさんのバイクへの愛情が伝わってきますね!
ほかのホームページとちがって項目をひたすら増やしていっている感じが逆にいいです(笑)
私もたつをさんのようなホームページをいつかつくってみたいです。
それではこれからも楽しく拝見させていただきます。
ありがとうございました!

Subject: Re: チェーンオイルについて

こん**は。まいどです。

掲載に関してご快諾いただきありがとうございます。折りをみて追記させて頂きますね。

2chなんかを読んでいるとエンジンオイル派も少なくなさそうですが(笑)、一般的なルブのスプレー式も確かに便利ではあるので、切替えには少し踏ん切りがいるのかも知れませんね。

ミッションオイルをすでにご購入との事、それはそれで結構だと思いますよ。1缶あれば10年は使えそうですし(笑)、所詮チェーンへの使用なので、酸化とかもそれほど気を遣わなくても良いですしね。

100km毎の給脂だとかなり大変だと思いますので、最初は300km毎とか、給油毎とかのペースで様子を見て、実際のオイルの飛び具合で判断するのが良いと思います。ホームページにも書きましたが、給脂の肝は、

Oリングには少なめに、ローラーの隙間にはたっぷり、給脂後は良く拭き取る事

に尽きます。指先でローラーをコロコロ回しながら給脂すると、ニュアンスはすぐに掴んで頂けると思います。

ホームページ、楽しみにしてますので、完成の際には是非ご連絡下さい。

ではでは。

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