〜'03.09.30までのSilly Talk |
鈴鹿サーキット
暫定スケジュールであるにせよ2004年も開幕戦として日程が組まれていたMoto GPの日本グランプリ鈴鹿が、安全面での折り合いがつかずに正式に日程から外されたそうだ。よって、来年のMoto GPは例年通りの全16戦での開催となるらしい。(カタールGPが新規開催される) 私なんかの年代のライダーにとって鈴鹿サーキットといえば、聖地とでもいうか、ある種の憧れや畏怖の念を抱かずには居られないサーキットなんだけど、「鈴鹿の権威も地に落ちたものだなぁ…」などと少し寂しくなってしまうニュースではある。
ここ数年だけでも、S字の改修や130Rが改修され、シケインに至っては今年の開幕前に1度、200km以降に1度と、計2回も改修されているにも関わらず、ピットロードへの進入路の安全が確保されていないなど、現役ライダーからは今も非難が絶えないらしい。実際、BSで中継される各国のサーキットの映像を見ると、鈴鹿は既に時代遅れのサーキットとなりつつある感は否めない気もする。
かといって、日本のもう一つのGPサーキットであるツインリンク茂木なんかは、確かに安全なのかもしれないが、コース上の何処をバイクが走っているのかが、映像から殆ど伝わってこない。ストップ&ゴーを基本とし、直線のあとに曲がりこんだコーナーがある単純なレイアウトは見ていてもとても退屈だし、足を運んだ事がないので断言は出来ないが、観客席とコースの間にオーバルコースが横切っている為、現地で観戦しても面白くないらしい。まぁ、茂木のケースはある意味特殊なケースであるのかもしれないが、初めて走った癖に、その先がどうなっているのかがはっきりとイメージ出来たサーキットは私にとって鈴鹿が唯一である。恐らく多くのライダーが、資料無しでも鈴鹿のコース図は描けるんじゃないのかな?
F1誘致に向け、富士スピードウェイは一旦閉鎖の上、大幅なコース改修がなされると聞く。ここ数年の鈴鹿の改修も、F1主催団体であるFIMの意向を優先して実施されたものであるが、改修後の130Rなどはバイクにとって安全性が上がったのかにも疑問が残る。この先、ずっと鈴鹿でF1が開催され続けるのかは知らないが、もしF1が改修後の富士で開催されるようになった時、鈴鹿は一体どうなってしまうんだろう?
本田宗一郎が生きていたら、一体どう思うんだろうね。伝統あるサーキットの晩年が、こういった寂しい様相になってしまうのはなんともやりきれない想いがするなぁ…
いつまでも、あると思うな…
かねてからこのサイトでご紹介を続けてきたオランダのGSX-Rファンクラブ、the GSX-R HouseのJasper君から、今週の頭に1通の同報メールが送られてきた。 Please let me be the first one to publish the message above on the internet. っとあったので、サイトで公開する前の先行お知らせメールだったようだ。それほど英語に自信がある訳ではないので何度も読み返してみたのだが、どう読んでも「1400番目のメンバーが登録された時点で、サイトの更新をやめます」っと書いてある。そして一昨日、正式にサイト上でメールに書かれていた文面が公開された。(泣)
メールボックスをひっくり返すと、彼とのお付き合いはかれこれ3年弱になるようだ。このサイトを立ち上げる前から、検索エンジンを通じて(ヨーロッパ仕様のGSX-R750の情報を探していて見つけた)彼のサイトには辿り着いていたのだが、殆どのサイトに対してそうであるように、なかなかメールを書く勇気が持てず、また、メンバー登録をするのも結局、サイト立ち上げから1年近く経過してからとなってしまった。まぁ、それだけ言語の壁は高いって事の裏返しでもあるのだけれど。
だが、一旦垣根を越えてしまえば、GSX-Rが好きな者同士、打ち解けるのにそれほど時間はかからなかった。交わしたメールの数はそんなには多くないのだけれど、メンバー登録フォームの日本語バージョン作成のお手伝いなどなど。the GSX-R Houseが大きくなっていく要所要所で表示チェックなどを頼まれたりで、なんとなく自分のサイトに近い愛着を持っていたりした。私が登録した当初、日本人のメンバーは10人にも満たなかったのだけれど、30人を越えるまで登録者が増えたのは我が事のように嬉しい。(これはGSX-R国勢調査についても同じ。なんというか、こういった、「パブリック」を意識したサイトを運営して下さっている個人には、無条件で頭が下がってしまうのだな。)
ネット「だけ」の付き合いというのも考えてみればものすごく不自然なものなのだけれど、言語や距離や時間の壁を越え、ネットでしか出来ないお付き合いってのもやはりアリだと俺は思う。少なくとも、ネットがなければJasper君という、類稀なるGSX-R馬鹿の事を知ることはなかったであろうと思う。
「マイペース」を標榜しながら、ダラダラと運営しているこのRide on GSX-R!もお陰様でこの年末には開設丸4年を迎える。このところの更新頻度を見ても判る通り、維持するモチベーションは正直なところ下がり気味であるのが本音だったりする。だからといって閉じてしまう事は今は考えられないのだけれど、偉大なサイトの閉鎖のニュースを耳にして、「じゃぁ、俺が頑張らねば!」っとはやはり思えないし、どちらかといえば、寂しさや喪失感、取り残されたような想いが強い。インターネットの世界に本格的に漕ぎ出してからかなりの時間が経過したが、その間、好きだったサイトの突然の閉鎖や管理人さんの不慮の事故での自然閉鎖などを何度も経験してきた。私のMacの中に今もひっそりと保存されているサイトもあれば、保存が間に合わず、二度と読めなくなってしまったサイトも数多い。
常時接続が当たり前になり、昔のように、好きなサイトをむさぼり読むことも少なくなり、ブックマークのワンクリックでいつでもアクセスできる…なぁんて感覚が支配的になりつつあるのだが、人の命と同じく、好きなサイトがいつまでもそこにあるとは限らない。久々にそういった事を考えさせられるニュースでした。
結論:
このサイトもどうなることやら… それは俺自身にも判らない。(笑)
750
東京モーターショーが開かれる今年、いわゆる04モデルのリッタースポーツが各社から続々と発表されつつある。カワサキ、ヤマハ、ホンダと、3社はそれぞれ予想された通り、シャーシ/エンジンとも完全に新設計でのフルモデルチェンジとなった。日本国内の二輪市場は先細りの感が否めないのだが、2年周期でモデルチェンジを繰り返す様相はまさに80年代後期のいわゆるレプリカブームの再現に思える。あのときは急速なブーム衰退でメーカー各社の体力を大きく奪ってしまったようにも思うが、レースで蓄積された技術やノウハウがダイレクトに市販車に反映されるのは個人的にはやはりワクワクする。まぁ、今のバイクを乗り換えるつもりはこれっぽっちもないんだけどね。(笑)で、我らがGSX-Rを見ると、03モデルでシャーシが大幅に見直されてはいるが、こうして出そろった各社のラインナップを見ると、若干の陳腐化は否めない。
現行GSX-Rは、そのルーツを96年のGSX-R750にまで遡る事が出来る。水平3分割ケースという独創的なアイデアで開発したエンジン、チャンピオンマシンRGV-γのディメンションをコピーしたシャーシを基本とし、その後、ボアダウンして600へ、ストロークアップして1000へとそのバリエーションを広げていったのだが、スーパースポーツの本流が、レースレギュレーションの絡みもあり600cc/1000ccクラスに完全に2分化してしまった現在、ベースエンジンが750ccというのは大きな足枷であるようにも思う。つまり、600ccにしてはエンジンが大きすぎ、1000ccフルスケールにするには小さすぎてボアを広げられないのだ。
96年以降のGSX-R750が750ccとしてはベストな市販オートバイであるというのは恐らく世界中のモーターサイクルジャーナリスト共通の認識であると思うし、また、750としてベストであるが故、全排気量を通してもベストと評価されたのだと思う。それは何も「750ccこそベストだ!」ってな意味ではなく、「専用設計だからこそ、ここまでベストなバランスに仕上がった」って事なんだろう。つまり、750の状態がベストであるオートバイの排気量を600に下げてもベストのままにはならないし、反対に排気量を上げてもバランスは狂って当たり前って話し。R1000のユニットは「ボアを広げられないので仕方なくストロークを上げたら何故かいいエンジンが出来た」っと開発者がいう通り、偶然の賜物だろうし、パワーデリバリーの素性は良くとも、重心位置を含め、専用設計でエンジンを作る事が出来るのならそれに越した事はない(もっとイイ物が出来る筈)ってのがエンジニアの本心だと思う。
ベースが同じエンジンのボアストロークを変更して様々なバリエーションモデルを作るというのは昔から行われている手法であり、開発コストが下がる事でユーザー側も低価格でバイクを手に入れる事が出来るという無視出来ないメリットもある。また、実際、ベースを750ccとしたが故、600-1000までの広範囲を同じベースエンジンで作り得たのであるが、今後、600と1000という、倍近い排気量差があるエンジンを共通ベースとするのは「競争力」という面から見ればかなり厳しいと思わざるを得ない。新型GSX-R600の発表はまだ行われていないが、この新モデルが現行GSX-R1000とは全く異なるエンジン/シャーシを採用していれば、まだまだスズキの将来は安心して大丈夫だと思う。
もっともそれは、「GSX-Rの中心モデルは750cc」という、長く続いた伝統からの完全な決別になると思うんだけどね。(2003.09.19.追記:左記は見事に外れました。(笑) もっとも、それを喜ぶべきなのかはかなり微妙なのですが…)
ナニワ金融道
タイトルの漫画で一世を風靡した青木雄二氏がご逝去なさったそうだ。氏の描かれた漫画についてはそのその登場時から様々なメディアで話題になり、また、細かく評論されているので、今更私がこんな場末であれこれ取り上げる必要もないであろうが、氏のデビュー当時はまだモーニングを毎週買っていたので、そのインパクト(確か1話読みきりの金融の話だったと思う)は強烈だった。なんというか、「これを伝えたいんや!」ってな意志が、ストーリー以上に絵そのものからにじみ出ていて、なんとなくゴッホを思い出させる、そんな印象を持った物だ。ジャンル分けすら不可能で、「青木雄二の世界」としか言い様がないその作風は、まさに先駆者と呼ぶにふさわしいと思う。連載終了後、あっさりと漫画家を引退、自らを人生の成功者を称し、58歳という若さで世を去る生き様は、氏が自ら望んだ「太く短く」の姿そのもののようでなんだか羨ましくさえある。
氏の頭の中では、マルクスとドストエフスキーの存在が大きかったらしく、マルクス(唯物論)とドストエフスキー(観念論)、同じ19世紀を生きた両巨匠の著作から受けた両極端な影響を、いかに自らの中で整理するかが大きなテーマだったようだ。確かに晩年の作品からはその意識が特に色濃く漂っているように思う。
氏の訃報を耳にして、改めて本棚から「罪と罰」を取り出し、先程ようやく第1部(ラスコーリニコフが金貸し姉妹を殺すまで)を読み終えたのだけれど、そういやこの小説、村上龍の「愛と幻想のファシズム」のワンシーンにも登場することを思い出した。客待ちの娼婦が街角で読んでいるのが罪と罰で、しかも「つまらない恋愛小説よ」っと娼婦に一笑に付されるのがやたらと印象に残っている。なんというか、人間ってのは業が深いよね。
なにはともあれ、心より哀悼の意を表します。惜しい方を亡くしました。
大切な物
「仕事と私、どっちが大事なのよ!!」…なぁんて台詞がよくドラマなんかでは使われたりするが、そんなのはどっちも大事に決まっている訳で、比べる事など不可能だし、そもそも比べる事に意味などない事の方が多いかもしれない。だけど、やはり世の中には「ある時点に於いてどちらかを選ばねばならない」ような状況はしばしば起こる。その選択の結果は、ある人にとっては妥協のようにも映るかもしれないし、また、ある人にとっては裏切りのようにも映るかもしれない。
だけど、大切なのは、「どちらも大事で、また、どちらも大切だからこそ、今はこちらを選ぶのだ」という明確な意志であり、そうであれば必ずその気持ちは伝わる筈だという事だと思う。「こちらを選ぶ事であちらが去ってしまっても仕方がない」ってな意識の下での選択は、結局のところAll or Nothingの延長であって、悩んだ振りをしながら、実は最初から答えが出ていた類の物であるように思う。
何の事やらよく分からない文章になってしまったけど、
>>何も捨てないし、自分も捨てない。
>>最低でも60:60以上の幸福の“分け合い”をしたい。
要するに俺は、その結果がどんな物であれ、君の選択を支持するよって話だ。ご母堂のご快復を祈っております。少し寂しいけど、きっと我慢出来るさ。
道路運送車両法
狭い世界なのであまり詳しくは書きませんが、某所で開催された某二輪車講習会に参加して来ました。とはいっても、一般対象の講習会に受講生として参加した訳ではなく、昨年受験した二輪車安全運転指導員資格の補習というかスキルアップ講習会というか、そんな位置づけのもので、一本橋や急制動、千鳥にレムニー(8の字)、直列パイロンなどの各種課題の実践練習(勿論自前のGSX-R750で)と、それらの課題の"指導ポイント"の練習でした。←十分詳しい(笑)
猪名川のスクールをお手伝いさせて頂くようになって随分経ちますが、他のスクールや講習会に出る機会が減った=自分の練習をする機会が減ってしまっていますので、自分自身のライディングスキルに危機感を抱いている事も受講理由の一つなのですが、やっぱ、一つのスクールにばかり関わっていると、他所の世界というか、カリキュラム内容や指導内容、また、その具体的指導ポイントのノウハウを盗みたかったってのが一番の理由でした。ボキャブラリも増やさないと間が持たなくなって来てますし。(笑) まぁ、講習自体は滞りなく終了し、猪名川のスクールの良さも再確認出来ましたし、自分のスキル不足もある程度見えたので受講して良かったな…ってのが素直な感想です。(っと書いておくのが"大人"だということで。(笑) やっぱ警察系の講習会は私は苦手です。サイドスタンドなんてどっちの足で払おうが構わないんじゃないの?)
で、今回のタイトルなんですが、講習会開始時に、いわゆる車両点検を各自実施したのですが、私のRに付けているイエローバルブに監督の指導員からクレームが入りました。
結局、講習が終了しても何のフォローもなかったのだが、この程度の法知識で受講生の車両にいちゃもんをつけてもイイのか? …なんて思います。まぁ、満足な指導実績もない、一本橋13.85秒が精一杯のヘタクソ指導員に言われたかないだろうけど、命令形で人に話をするならその根拠はきちんと裏をとっておいた方がイイと思うよ。
道路運送車両の保安基準
第三十二条
結論:
ゴールドバルブは違法です。(笑)
携帯メール
掲示板やMLでもしばしば話題になる事だけど、文字のコミュニケーションはほんと、難しい。(困)サイトやPCメールのように比較的長文がかける環境だと(長くなるのは承知で)行間を埋め、誤解を出来るだけ少なくする努力もある程度可能なんだけど… 携帯のメールみたいに文字数が制限され、小さな画面でのやりとりとなると、文末の語調を取り違えたり、漢字の誤変換が元で誤読したり。で、いつの間にやらお互い
ってな感じで不毛な文字のやりとりが繰り返されたり。まぁ殆どの場合、(怒)っとなるのは私なのだが…←(困ったもんだね、このおっさんは(汗))
いきなり結論:
携帯に10通メール打つぐらいなら5分でイイから話せ!(笑)←笑えないんだけど…
携帯メールなんざ、連絡用にだけ使えば十分だ!←自戒
故人の後押し
こうやって何年もバイクに乗り続けていると、乗らない人と比較するとどうしても人の死について敏感になるし、また実際、見聞きする事も多い。
今年はTIでの練習走行中にネットで親しくして頂いていた友人を亡くしているし、そしてまた先日、残念な訃報を耳にした。実をいうと彼とはそれほど親しくはしていなかったというか、私が関西に戻ってきてジムカーナで骨折→競技引退→GSX-Rを買ってなんちゃってジムカーナ復帰してから知り合ったので、友情と呼べる程の親交を暖める時間が無かったってのが正直な所であるのだけれど、それでも狭い世界なので、どんな会場に行っても顔をあわせるし、休憩時間などには何度も言葉を交わすような間柄ではあった。大会終了後の移動時の右直事故、それも相手が飲酒運転だったらしいと聞き、なんともやるせない思いが募る。淀で頻繁に練習会が行われていた頃のビデオを今でも時々見る事があるのだが、KSRでちょこまかと走り回っている彼の姿を忘れる事が出来ない。どうか安らかにお眠り下さい。
MotoGPも中盤を過ぎ、今年の開幕の鈴鹿で起きた悲劇の衝撃も少しは和らいだように思うが、先日訪れた8耐では至る所で74番のシャツを着た人たちが居たし、また、事故直後と変わらない数の花束が、シケインの現場には手向けられていた。忘れてしまう事と引きずる事は少しニュアンスが違うと思うのだが、日常の持つ力というのはやはり強く、Tamurun!さんの事や加藤選手の事を日常生活において思い出す事は少なくなった。寂しく、そして少し哀しい事だとは思うが、今回のヨッシー逝去の報せも、時の経過とともに少しづつ俺の記憶の中にしまわれてゆくのだろう。
毎日を精一杯生きる事。決してバイクでは死なぬ事。死を取り上げる度に繰り返しこのスペースに書くことではあるが、それが残された俺に、あなたに出来る唯一の供養だと思う。
そうそう、先日、テレビ放送で今年の8耐のダイジェストを見た。番組の締めくくりの表彰式。加藤選手の遺影とともに出されたコメント。
「(Kenz!のトラブルを含め)大治朗が後押ししてくれたのだと思います」
バカいっちゃいけない。君の、俺の大好きだった加藤選手は、トップを快走するバイクのトラブルを願うような奴じゃないだろ。全力で追い、ぶち抜く。そんな奴だったからこそ、誰からも愛されたのではなかったのか? 当日俺はヘアピンで観戦していたので、開始直後の1コーナーの状況はテレビ映像を見るまで全く分からなかったのだが、あの状況で誰も怪我をしなかった事に改めて安堵した。続くヘアピンでのハイサイドしたライダーも、映像では省略されていたが、適切なオフィシャル/レスキューの対応により、どうやら無事だったらしい。現場ではピクリとも動く様子が無かったのでかなり心配していたのだが、加藤選手の件でオフィシャルの対応意識も上がったのだと思うし、また、前述の1コーナーも含め、大事に至らなかった事にこそ、俺は加藤選手の後押しを感じた。
勿論、俺なんかよりも鎌田選手や実際の8耐ライダー達の方が加藤選手の事は良く知っているのだろうし、また、親交も深いのであろうが、故人を商売や演出に使うのはもういい加減に勘弁して欲しいと思う。
嫌な自分
なんかこう、こういうスペースに心の葛藤を吐露するのもはばかられるのですが、ま、個人の備忘録も兼ねているので。
詳しくは書けないのですが、久しぶりに、嫌な自分自身を前にして、なんというか、ほんまにお前は38歳なのか?…なんて情けなくなりました。心が狭いというか、自分に自信がないというか。ちょっとした事でグラグラと揺れてしまう現実に、この2年の間に築き上げてきた物は一体なんだったんだ?ってな心境です。
けど、その姿はまごう事なき「今の自分自身」でもある訳で、それを否定しても何も始まりはしない事は痛い程分かっていたりするので余計に辛いというか。ありのままの自分と、こうありたい自分。そのギャップに驚くと同時に、俺なんてやっぱ、まだまだ子供なんだな…なんて思ったりします。
「その姿がどんなに醜く情けなくとも、それがありのままの自分なのだと認識出来てはじめて、先に進めるのだ」
…なぁんて事はもう随分昔に悟ったはずだったのに、こうして改めて同じループに突入すると、あの辛い日々が蘇ってくるとともに、あの日からひょっとして一歩も先に進んでいなかったのでは?とも思ったりもします。
なんか久々に旅に出たい。そんな心境ではありますな。
SUZUKA 8 hours
世界最大のGSX-Rファンサイト、GSX-R Houseで随分前に「GSX-RカルトQ」っぽいクイズがあった。その中で「GSX-Rが8耐に優勝したのは何回?」ってな内容の出題があったように思う。欧米の人々にはなかなか馴染みがないレースなのか、私の所にも何軒か問い合わせが来たのだが、その答えは…
「一度も勝ってない」 が正解。
GSX-Rというとやたらと8耐のイメージが強いのは何故なのかと考えると、やはりヨシムラの存在があるが故だろう。87年、残りわずかでヨシムラの、そしてGSX-Rの手のひらからこぼれ落ちた8耐の勝利を、今年もまた掴み取る事が出来なかった。
国内レースの様々なレギュレーション変更により、ここ暫くかなり迷走した感のある8耐であるが、今年はGSX-R初勝利の可能性が一番高かった年だと思う。重い腰を上げて鈴鹿に足を運んだのはその瞬間にぜひとも立ち会いたかったからでもあった。開始早々、残念なアクシデントでヨシムラの手から勝利はまたもこぼれ落ちてしまった。7連勝前提でスポンサーを獲得(Seven Stars)してのワークス参戦のNo.7が序盤でジリジリ逃げていた時は「やっぱり今年もダメか?」っと諦めそうになったのだが、ヘアピンでのNo.7コースアウト→リタイヤの瞬間を目撃してから残り1時間まで。順調に周回を重ねてきてたKenz! (No.8) の、GSX-Rの初優勝をほぼ確信していたのだが…
最後のライダー交代の際に、「どうしたKenz!、エンジンに火が入らない!」とのアナウンスを130R立ち上がりで聞いた瞬間、思わず大声を上げてしまった。約1分後、目の前をNo.71が通り過ぎる。Kenz!コースインのアナウンスは無い。コースを挟んでダンロップをNo.71が通り過ぎる。Kenz!コースインのアナウンスはまだ無い。そして目の前を再度No.71が通り過ぎた時、「GSX-Rは8耐に勝てない伝説」はまだ続くのかと、頭上に顔を出していた三日月に問いかけてしまったよ、俺は。
N井氏のカワサキ最上位や、Y口氏のスプーンでの転倒を押して帰ってのチェッカー、カタナスリーさんのチームの完走などなど。得る物が何も無かった訳では決して無いのだけれど、やたらと喪失感が残った今年の8耐でした。
現地で色々お世話になった皆さん、どうもありがとうございました。(携帯のバッテリーが切れてしまってどうもすみませんでした) それにしても人、少なっ!
>To:
**********@suzukacircuit.co.jp
>Subject: 8tailive.comについて
>Reply-To: mail@tatsuwo.org
>
>はじめまして。佐藤達夫と申します。
>
>今年も昨年に引き続きストリーミング配信があると聞き喜んでいたのですが、
>WMP9が必須との事でがっかりしております。私はMacを使っているの
>ですが対応のプレーヤーがマイクロソフトからはリリースされておらず、
>現状では音声しか楽しむ事が出来ません。
>
>貴サイト上にインテル、HP、マイクロソフトへのリンクバナーが貼られて
>いる事から、なんらかの意図があってWMP9必須としたのであろうと推察
>出来ますが、とても残念でなりません。
>
>勿論、配信自体がないよりはあるほうが素晴らしい事だと思っておりますし、
>ペイパービューのライブ放送があるにも関わらず、無料配信が実現出来た事
>は、落ち込んでいる8耐人気の回復やモータースポーツ人気の拡大という点
>でも素晴らしい事だと思っております。繰り返しになりますが、それだけに、
>WMP9以上が必須となった今年の配信は残念です。
>
>コストを全く負担しない、一視聴者の戯れ言でお目汚し申し訳なく思いますが、
>もし可能なのであれば、来年度以降の配信計画の際に、プラットフォームの
>垣根を越えた視聴が可能となるようなご配慮を頂ければと思い、メール致し
>ました。
>
>末尾ではございますが、配信のご成功を祈っております。
> 敬具
>
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> Tatsuwo Sato << mail@tatsuwo.org >>
> http://gsx-r.tatsuwo.org/
>
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送信簿を見たところ、7月17日に上記メールを出したようなのですが、今現在返信は……なし。ま、公開アドレスに出した訳じゃないので、別に返信は期待してはいなかったんだけど、去年はリアルプレーヤーでのストリーム配信だっただけに残念ですね。WMP9だとWin98の方々もNGでしょうから、こりゃ大がかりな買い換えキャンペーンの一環なんでしょう。8耐見たさにPCを買い換える人がどれだけ居るのかは疑問が残りますが…ね。
応援していたチームは全て予選突破した事だし、スズキ勢も絶好調。 さ、一眠りして鈴鹿に出発しなきゃ。
名阪スポーツランド
TZR50Rでレースがしたい!という某氏に誘われて?って訳ではないのですが、付添人の名目で、梅雨の晴れ間の昨日、名阪スポーツランドに行ってきました。…トランポが用意出来なかったので自走で。(汗) 某氏のTZRは書類チューンで2種登録しているのですが、最短ルートの名阪国道が走れず、やむなく大阪市内→阪奈道路→県道8号線→国道369→針→国道25号側道経由で名阪スポーツランドを目指しました。予定では朝の7時に出発するつもりだったのですが、なんだかんだで8時過ぎの出発となり、途中県道8号線に入りそびれて大幅にタイムロスし、結局名阪についたのは10時15分頃だったのかな? 渋滞さえなければ思ったよりも所要時間は短くて済みそうなのですが、着替えや工具などの荷物に加え、リアカウルにツナギ2着を山のようにゴム紐で括り付けたGSX-R750は信号待ちの度に注目され、なんだか少し恥ずかしい…。まぁ今回は自分も走るのでフルフェィスだったのでまだマシですが、日本で「今一番格好悪いGSX-R750は俺のあげはだ」と思うと気分は憂鬱です。(笑)
名阪はゲートを入って右側のコースがミニバイク用のコース(ABコース)なのですが、この日は入って左側のコースで貸し切りドリフト走行会が行われているようで、タイヤのスキール音で話す事すら大変難儀しました。平日なので貸しきりかと思っていたらそれでも我々以外に3台が走行してました。受付でライセンスの申込書類と写真を渡し、仮ライセンスと走行券を受け取り、そそくさと走行準備に入ります。 ?講習会は?←書類審査だけだそうです。(笑)イイのか??
保安部品をテーピングで処理し、ナンバーを外してツナギに着替え、とりあえず様子見で私から走行を開始。事前にコース図を見ていたので迷う事は無かったのですが、目安が何も無いので何処まで攻めればイイのかがさっぱり分からん。(笑) とりあえず5周程走って(実はもう疲れていた(笑))タイヤチェックの為にピットに戻ります。空気圧を温間で前後とも2.0kg/cm2に合わせて某氏にバトンタッチしたのですが、その時にフロントタイヤのトレッドにかなり酷いヒビ割れを発見。う〜〜〜ん。(困)とりあえずタイヤが滑る気配は無かった(溶けてもいなかったが…)ので、そのまま乗り換えました。我々の他の3台は1台がエンジン不調っぽい感じのNSR50(多分SP仕様でストレートの加速がやたらと速かった)でセッティング→ピットインを繰り返しタイムは良く分からん、NS-1か何かのSPレーサーが60秒ぐらい、ノーマルっぽいNSR50が57秒ぐらいで回っています。う〜〜〜ん。この試走での私のタイムは58秒台だったらしいのですが、何の参考にもなりません。
初めはおっかなびっくりだった某氏もだんだんと慣れてきた感じで、64秒平均ぐらいでどんどん周回を重ねています。っつ〜か、君は疲れを知らんのか?(笑) さすがに集中力が落ちてきたように見えたのでピットインのサインを出したのですが、戻ってきた時の瞳がキラキラしていて本当に楽しそうでちょっとドキリ!っとしたりして。どんなスポーツでも同じだとは思いますが、自分の限界にチャレンジするというのは楽しい物ですね。その後2人して交代で走り、私は56秒を切った辺り、某氏は60秒を切った辺りで終了…しとけばよかったのだが、勢い余って二人とも転倒(笑)のオマケまでついてしまった。すまん>某氏 何とか自走で帰れる程度のダメージで済んだのは幸いでした。
実はミニバイクコースをミニバイクで本気で走ったのは私もこれが初めての経験だったのですが、パワーがない分、速く走らせるのはそれなりに難しいと実感しました。加速力を期待出来ないので、一度速度を落としてしまうと半クラを駆使してもそのリカバリーはほぼ不可能に思えます。今回は1コーナーを終日3速で回っていたのですが、ここを4速のちょい戻しで回れればあと1秒ぐらいは縮められそうですが、私の腕では仮に前後タイヤが新品&ファイナルを合わせても55秒を切った辺りが限界となる予感。しかし、ドノーマルの癖にTZR50Rは良く走ります。いやほんと、TIをGSX-Rで走っているのと体感的な迫力が殆ど変わりませんし、ミニバイクにありがちな変な挙動も無く、特殊な乗り物に乗ってる感覚が全くありませんので、まさしく「腕を磨く」という表現がぴったりです。
応援しているので、どんどん腕を磨いて遠慮なくぶっちぎってね>某氏←そうなったらなったで悔しい癖に!(笑)
余談:
しかしまぁ、二人で飽きるまで走っても2500円(ライセンス料は除く)なんだから、やっぱ老舗は太っ腹というか、モータースポーツを底辺で支えているんだなぁ…なんて少し感心してしまいました。ゲートのお兄ちゃんもそうだけど、作業服を着た場内整備員?のおっちゃん達も凄く親切だしね。なんだかんだでモータースポーツが好きなんでしょう、きっと。
余談(その2):
先日付けたガソリンのキャッチタンクはきちんと機能しておりました!
罪と罰
徐々に詳細が明らかになってくるにつれ、長崎の幼児殺害事件の犯人の異常さが浮き彫りになってなんだか気持ちが悪い。とはいえ、少年法への配慮からか、名前は勿論、顔も住所も学校も公式には明らかにされていないし、突き落とす前に何をやったのかも断片的にしか明らかにされていない。
こういう事件が起こる度に少年法の壁が論議されるが、隠す事の限界を感じるとともに、正直、いわゆるマスコミの高慢さが鼻に突く。昨日一斉に「少年は幼児を殺害する前にハサミで体の一部を切った」という趣旨のマスコミ報道がなされた。が、誰もが感じる、「じゃ、体の一部って何処だ? 耳か? 鼻か? 指か?」の報道は決してされない。いわゆる自主規制ってやつだ。官房長官の公式の場では無い発言が「政府首脳の発言」っと表現されるのと同種のマスコミ的表現もそうなのだが、「教えてやってる」ってな態度が見え隠れすると同時に、結局肝心な事は何一つ伝わっていない現実に気がついてさえいないような感じを受ける。マスコミ表現辞書(そんなのは無いけど)を片手に読まないと内容が理解できないような報道に何か意味などあるのか?
勿論、事件の詳細を報道する事が結果的に被害者やその遺族の方々を鞭打つ事になる可能性には最大限の配慮がなされるべきだとは思う。犯罪内容が猟奇的であればある程、顔まで報道される被害者にとっては辛い話である。かといって、どういう犯罪であったのかさえ隠してしまうのであれば抑止など出来るはずが無い。ネット上で犯人探しが横行しているとの非難も報道されているが、それは知っている側のエゴのようにも思う。モザイクをかけた写真を報道し(つまり、モザイク前の写真も入手している)、犯人の同級生や近隣住民からのインタビューを声を変え、顔を隠して報道(つまり、犯人の学校も名前も住んでいる所も分かってる)しておきながら、それで情報をコントロールしてるつもりなのか? 隠されると探してしまうのが人間の性だと思うし、隠すから、間違った憶測も呼んでしまうのでは無いのか? 犯人と被害者、本当に隠されるべきはどっちなのだ? 犯人と被害者、俺が、あなたが本当に知りたいのはどっちだ?
そうそう、言葉遊びをするつもりはないのだが、刑法が禁止しているのは14歳未満の行為への「罰」(第四十一条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。)であって、彼は罪を問われない訳では決して無いのだ。罪を問われないのなら補導すら出来ず、更正施設に送る事も出来ない事になってしまう。過失で相手が死んでしまった(過失致死)のならともかく、今回の事件は明らかに殺人であり、年齢を理由に罪を問われないわけが無い。こういった基本的な用語の使い分けすら出来ないのなら報道などやめてしまえ!
罪刑法定主義-3
過去このスペースで2回に渡り取り上げた新潟の少女監禁事件の最高裁判決が昨日あった。地裁→14年、高裁→11年と、司法の判断が分かれていた併合罪の解釈について、最高裁が最終判決を出した形である。前回(昨年12月10日)、
>>被告に有利な形に判決が変わった事に憤る方は多いと思うが、私は少しこの国の司法を見直した。「法律とはなんぞや?」を考えれば考える程、一審の出した判決は危険なものであったように思う。
っと書いたが、今回の最高裁(小法廷)の判決は、高裁判決を破棄し、一審の地裁判決を支持するものであり、これで被告の刑は確定した事になる上、判例として今後も生き続ける事になる。
この糞野郎の刑期が11年だろうが14年だろうが、どちらにしたって犯した罪に見合う量刑とは俺にはとても思えないのだけれど、今回の最高裁判決は最悪だったように思う。乱暴な言い方をすれば、今後、この糞野郎が犯したような重大犯罪に限らず、どんな刑法犯であっても軽微な余罪と一緒に起訴する事により、刑法に規定された量刑の1.5倍までは科す事が法的に可能になるのだ。なんだか薄っぺらで場当たり的な判決だなぁ…っと俺は思う。もちろん、最高裁判所とはいえ立法府ではないので、現行法の枠内で判決を下す事しか出来ないのは承知しているが、百歩譲ったとしても、併合罪の規定上、被告に科す事が出来る最高刑は15年(検察の求刑も15年)なのに、今回の最高裁判決は14年。「併合罪は罪全体に対する刑を決することとした規定」と最高裁は言うが、それじゃ、その1年の減刑の根拠をはっきり示せと言いたいのだ。ここで15年の判決を出さないのなら11年を否としたのは理屈に合わないと俺は思うんだな。本当に14年の懲役は妥当な量刑なのか? 11年では不足で、14年なら妥当なのか? 15年じゃない理由は、この糞野郎の一体どういう情状を酌量した結果なのだ? 高裁の判決の際、裁判長が出した違例のコメントのように、立法府の怠慢を指摘すべきではないのか?
長崎で起きた12歳の少年が犯した幼児殺害事件の話題で世間は大騒ぎだが、現行刑法では14歳未満の子供には刑罰を科す事が出来ない(41条)。加害者のプライバシー保護など、少年法の側面しかクローズアップされていないが、新潟の監禁犯の量刑といい、ほんと、この刑法のままで、こんな場当たり的な運用のままでイイの? 「時計仕掛けのオレンジ」のような世界になるのがイイのか?っと問われると答えに困っちゃうんだけどさ。
エアベントホース
今年に入ってCB400SFを売り払い、TZR50Rを購入した某氏。小柄な体格故か、乗っている姿がやたらと似合っているので何やら微笑ましいのだが、どこまで本気なのかは判らないが、購入動機は「レースをしたい!」って事だったようです。サービス業を生業としている氏なので、参戦可能なレースもないだろうとタカを括っていたのですが、長年の激務による体調悪化が激しく、一旦退職し、しばらく静養期間に入ったらしい。となると必然的に関心はバイクに向くようで、訪ねるとパーツリストやらスペアホイールやらが部屋を占拠している。(笑) 昔懐かしいモトチャンプなんて雑誌がまだ発行されているようだったので紹介したのも災いしてか、すっかりハマっているご様子です。
まぁそれはそれでイイんですが、いざ実際にライセンスを取ってサーキットを走るとなると街乗り仕様のままでは色々と不都合というか、保安部品はテーピングで済ますにしても、オイル関係はしっかりと対策しておかないと…ってことで、実は最近色々とお手伝いさせて頂いてます。まぁ、当面はノーマルクラス(そのクラスのレースが成立するかどうかは不明だが)を視野に入れているようなので混合への変更等が無く、それほど大変な作業ではないので助かっているのですけれど…。
で、実は先日、無い頭を二人で絞りながら、ガソリンのキャッチタンクを設置したのですが、昨夜ぼ〜〜〜〜っと思い返して、致命的なミスを私が侵している事に気がついたのでした。(すまん>某氏)
レースに興味が無い人にはガソリンのキャッチタンクなんて何の事やら判らないかもしれませんが、もうしばらくお付き合いを。オートバイで立ち転けをした事がある人ならご理解頂けると思いますが、オートバイが転倒すると、殆どの場合、路面にガソリンが漏れます。で、ガソリンキャッチタンクとはそのガソリンを路面にぶちまけない為(ガソリンだって油なので、混合で無くとも滑るので、コースにまくと危険)に容器で受ける必要があるのですが、どこからガソリンが漏れるのか、あなたはご存じですか?
キャブレターを気化器として採用しているオートバイは、構造的に、例外なく転倒するとガソリンが漏れる構造になっています。
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左図はいつもの「とてもMacを使って描いたとは思えない」キャブレターの基本動作図。(泣 フロートチャンバーに溜まったガソリンがエンジン負圧で吸い出され、減るとフロートが下がり、タンクからガソリンが供給される。規定量になると栓をしてガソリンの供給が止まります。 |
一般には上図のように理解されていると思いますし、実際間違いでも無いのですが、この図の通りだと実はガソリンを吸い出す事が出来ないのです。
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なんかいかにもやっつけな図ですが、イメージはカップに蓋がされたマックシェイクとかコーラです。 空気抜きの穴が蓋に開いていなければ無ければ飲むのが大変ですし、無理矢理ストローを吸うとカップが凹みます。(笑) 先のキャブの動作図はまさにこの状態で、キャブのフロートチャンバーはアルミの鋳物ですので、マクドのカップのように凹む事は出来ませんので、いくらエンジンが負圧を発生させてもガソリンは全く吸い出されません。 ちなみに、青い矢印はいわゆる「大気圧」です。 |
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こっちは蓋がしてない普通のカップです。 吸えば普通にストローを昇って来ます。これは普段意識していない大気圧が押し上げてくれているからとも言えます。まぁ、マックシェイクはそれでも飲むのが大変ですが。(笑) 口で吸う事によって発生した負圧と大気圧との圧力差でストローの中を飲み物が上がってくるんですね。 |
つまり、キャブレターのフロートチャンバー上部も、大気圧をかけるために何らかの形で空気穴を開け、大気に解放しないとだめなんですね。物がガソリンですので、転んだ時に熱いエンジンにダバダバと掛かると不味そうですし、走行時の転倒だと路面と擦れた車体から火花が出ちゃいますので、そういった箇所からなるべく離れたところまでホース(エアベントホースとか、オーバーフローホースと呼ばれています)で引っ張って大気に解放しているのが一般的だと思います。(油冷後期GSX-Rの場合はエアクリーナボックスの空気取り入れ口の左側辺りに2本引き込まれています)
長い前ふりですが、このホースの先に容器を設け、転んでもガソリンを路面に撒かないようにするのがガソリンキャッチタンクなのですが、わずか200ccのボトル(50ccレースのレギュレーション上は100ccでもOKなのですが、適当な容器が見つからなかった)とはいえ、転倒時のダメージを避けつつライディングの邪魔にならない場所となるとなかなか見つかりません。最終的にエンジン前方によさげな場所を見つけ、そこに設置したのですが…
おおまかな取り回し図。 容器上部には空気穴が開いていますので、フロート室にはきちんと大気圧がかかります。 |
キャッチタンクですので、キャブより上に設置しては意味が無い事は分かっていたんですが… 設置場所などの事情により、最終的にホースが一旦上に持ち上がってから容器に入るように取り回さざるを得なかったんですな。 けど、この取り回しだと、転倒時に容器にガソリンはきちんと入りますが、車体を立て、再始動した後に丸で囲った部分にガソリンが溜まってしまいます。となると… エアベントを塞いでいるのと全く同じですので、ガソリンがガソリンタンクから落ちてこなくなり、ガス欠と同じ症状が出てしまいますな。(汗) ちなみに、容器に入れるホースを底まで伸ばし、ガソリンに浸かった状態になっちゃうとどう取り回しても同じ症状が出ます。 |
結論:
レーサー作りは難しい… すまん>某氏 また一から設置場所探しだ!(笑) こんなミスが原因でリタイヤなんてつまらないもんね。←転倒しなけりゃ関係無いんだけどさ。(笑)
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