時の経つのは早いもので、私の元にGSX-Rが届いてからかれこれ丸4年が経過しました。おおよそ年間10000kmのペースで走行距離も伸び、オドメーターは62000kmあたりを指しています。その間、予防交換を含め、さまざまな消耗品を交換してきましたが、メーターワイヤー、スロットルワイヤーに続き、ついにクラッチワイヤーが寿命を迎えました。
近所のホームセンターに買い出しに行った帰り道、クラッチを握りながら信号待ちをしている際に、クラッチレバーの根元になにやら糸くずのようなものを発見。実は珍しく午前中に洗車をし、スイッチ類をアーマオールで磨き上げた後だったので、「ありゃ、ウェスの糸くずが挟まってるよ…」っとグローブを外して指先でつまむとチクリっと刺さり、そこでようやくワイヤーがほつれているのだと気づきました。←にぶい!
かれこれ40000km、その間、殆どノーケアですので、そろそろ寿命を迎えてもおかしくない時期でしょうね。幸いにして(中古ですが)クラッチワイヤーのストックは持っていましたので、帰宅して早速交換作業に取りかかりました。
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新品のケーブルの場合も同じですが、グリスアップはケーブル単体の状態で行う方が格段に楽です。 毎度の事ながら潤滑には小分けしたエンジンオイルの余りを活用します。時間があれば上下をビニール袋で包み、その中にエンジンオイルを充填して一晩吊しておけばOKなのですが、今回は急ぎ&ワイヤーインジェクターなど持ってないので、矢印部分にエンジンオイルを垂らし、ケーブルを上下に揺すって奥まで浸透させました。 |
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オイルを垂らしてはシュコシュコを10分程繰り返し、反対側からオイルが出てくればグリスアップは完了です。余分なオイルをウェスでふき取り、ケーブルのアウターもシリコンスプレーやポリメイト、アーマオールなどで磨き上げておくとイイかもしれません。 |
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交換用のケーブルのグリスアップが済めば、古いケーブルを取り外します。 レバー根元のボルト(緑)を外し、遊び調節用のボルト(黄色)を一番奥まで締め込んでレバーとワイヤーを分離します。 調整ボルトには切れ込みがあるので、切れ込みをレバーホルダーの切れ込みに合わせるとこじることなくケーブルは取り外せます。 レバー側を外したら、アンダーカウルを外します。(写真割愛) |
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R750Lの場合は右側のフォークアウターチューブにもクラッチケーブルがクランプされていますので、矢印のボルトを外してクランプを取り外します。 クラッチケーブルはスロットルワイヤーやブレーキホース、メインハーネスなどを縫うように取り回されているケースもありますので、初めてバラす場合はデジカメなどで、どのように取り回されているのかを記録しておくことをお勧めします。もしくは、長めの紐をケーブルのタイコに結んでからケーブルを外し、紐を新しいケーブルに付け替えて引っ張る方法も確実で間違いがないと思います。 メモらずに組み付けた際は、ハンドルを左右に切り、各部の干渉や無理な引っかかりがないかを走行前に確実に点検して下さい。…あのときは済まんかった>某氏 |
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ノーマルのR750Lの場合、エンジン側のケーブルを完全に外すには、矢印部分の割ピンを外さなければいけません。(クラッチレリーズのアームを取り外す必要があります) 割ピンは一番確実な緩み/抜け止めですが、メンテナンス性がかなり悪いですから、私は外したついでにステンのβピンに取り替えることにしています。 ノーマルのR750Lでは、
などに割ピンが使われています。(ステップ裏以外のβピンサイズは同じです。M6用だったかな。) 但し、βピンは脱落の可能性が常にありますので、定期的な点検が必要です。
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黄色の矢印のロックナットを緩め、赤色の矢印のナットを回すとエンジン側のマウントを外せます。かなり長いボルト構造になってますので、気長に緩めて下さい。 |
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おまけ: 普通はレバー側のタイコ直下(矢印部分)がグリス不足で一番切れやすい筈なのですが… 今回切れた場所を考察するに、レバーのグリスアップ作業などでレバーを取り外す際、横着して遊び調節ボルトを締め込まず、無理やりコジったりした際にケーブルがレバーホルダーと擦れ、少しづつ痛んできたように思われます。 グリスアップ後の遊びの再調節が面倒だったからとはいえ、やっぱり整備に横着は禁物ですね。 |
あとは逆の手順で組み付け、レバーの遊びを調整すれば完了です。せっかくバラしたついでですから、レバーのピボットボルトやエンジン側レリーズアームのピンなどはしっかり磨いてグリスアップを忘れずに。
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