iMac is coming to town.(98.08.29)


 ってことでとうとう日本でも発売されました。>iMac。

 石垣島の知人に、パソコン関連の買い物を頼まれていたので、iMac発売日にあわせて、大阪は日本橋に出かけました。恵比須町のホームを降りた時、キャスターにくくり付けたiMacの箱をゴロゴロと引っ張っている夫婦をみました。一緒に地下鉄に乗り合わせていた20歳そこそこの女性二人組がそれを見て一言。

 『あ〜〜〜〜、もう買ってる!!ええなぁ。急ご!!』

 書籍売り場をとっぱらって、特設会場にしている販売店に立ち寄りました。すげぇ熱気。あとからあとから、道路の向こうの倉庫から台車に載ってiMacが搬入されています。レジの前には50人ほどの列。クレジットの審査窓口にも20人ほど。8台ほどの展示用iMacには、まさに黒山の人だかりです。10分ほど並んで触ってみましたが、残念ながら画面は店頭デモ専用ソフトが動いているのみ。強制終了させてFinderを動かしたかったけど、やめました。だって........。

 なんていうのかなぁ。「客層」が明らかにいままでと違うんです。

 いわゆる、普通の人たち。若い女の子やアベック、若夫婦の姿がとても印象に残ります。

 '95年のあの冬と、似ているようで、何かが違う。ブームでは無い何かを私は感じました。それは何なんだろう?買い物をしながら、ぼ〜〜〜っと考えてました。

 壊れるんじゃないかな?怒られるんじゃないかな?パソコン売り場で、触りたいけど触れない。そんな姿を今まで沢山見てきました。けど、今日は違った。みんなグリグリとマウス動かしてます。(笑)このマウスがまた、思ってたより使えるんだなぁ。

 今日、あそこに集まっていた人たち(俺を含む)は、「iMac」という「可能性」に惹かれていたのかも知れません。ある人にとっては「デザイン」なのかも知れない。ある人にとっては「性能」なのかも知れない。

 「欲しい」と思わせる何かが、確かにあのiMacにはあります。「使ってみたい」と思わせる何かが。

 iMacに出来て、俺のApusに出来ない事は何も無い。反対に現時点ではApusに出来てiMacに出来ない事の方が多いかも知れない。だけど。それでもなお、痛烈に訴えてきます。

 デザインの持つ力なのか?あのデザインでSONYがPCとして出していたら、俺は同じように欲しくなったろうか?

 俺の答えは『否』です。だけど、初めてのコンピュータとして今日、iMacを手にした人にとっては『Yes』かもしれない。

 iMacがAppleの製品であったことが救いなのでは無く、MacOSの搭載機であったことが、私はとても嬉しい。親しみやすいデザインには親しみやすいインターフェイスが似合うように思います。いつものとおりにいつものものが、どんなときにもそこにある。OSって何?Finderって何?そんなことを一切知らなくても、全然構わないんです。

 丸い電源ボタンを押すだけで。「コンピュータ」を使っているなんて意識しなくても。やりたいことをどんどんやってください。グリグリとマウスを動かして遊んで下さい。デスクトップに見えている物を、手当りしだいカチャカチャとクリックしてください。

 あなたの目の前にあるデスクトップは、1984年からそこにずっとあったんです。殆ど姿を変える事無く。だけど、ここしばらくのMacintoshは「触る事をためらわせる」製品であった事は事実です。iMacも、私のApusも使い方は同じ。見えている物は全部使えますし、ダブルクリックすれば開きます。ドラッグすれば動かせます。ゴミ箱に入れればCDが出てきます。アップルメニューからシステム終了を選べば勝手に電源まで切ってくれるんです。

 操作の仕方は今までと全く同じなのに。今日まで触る勇気が無かった人たち。使ってみれば、簡単でしょ?思ってたよりも、ずっと。

 「目に見える」って、とても大事な事なのかも知れないなぁ。....なんて感じました。iMacを見れば誰だって触りたくなりますよ。

 パソコンって何ができるの?その問いに「製品で」答えた初めてのパソコンなのかも知れませんね。>iMacは。

 実際には、使わないと「何も出来ない只の箱」であることは変わらないのですが、それでも「欲しい」。何かを始めたくなる。触る事をためらわせていた「何か」をとっぱらった初めての「製品」なんでしょう、きっと。

 それでいいんだと私は思います。きっかけなんてなんでもいいんです。

 今日、はじめてのパソコンとしてiMacを手にした誰かが、もうすぐここに来てくれるかもしれない。どこかのBBSで出会えるかも知れない。そして、ひょっとしたら、なにかを作り始めるかも知れない。

 そう考えただけで。なんだかとても嬉しくて、すこしニヤニヤしてしまいました。

 ほんま、ようこそ。>Macintoshのある日常へ。


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